フジテレビが仕掛けた「ネット専門局」の正体

「24時間ニュースぶっ通し」で何を狙うのか

――『みんなのニュース』の伊藤利尋アナ、『あしたのニュース』の大島由香里アナたちが登場してきますけど、地上波とは違うキャラクターの部分が見えるのは面白いです。

彼らの面白さも、短い時間では伝わらない部分があります。

――今、テレビや著書で活躍している池上彰さんも手嶋龍一さんも、テレビニュースの現場で、記者として自分の言葉でしゃべっていた人たち。そういう人たちが、時代の寵児になっていく流れもあります。

のちのちスター記者を生み出していくようなことになっていくといいんですけどね。

――現状、地上波でできていないことをネットで補完できると?

そのもくろみもありますが、実はそれが主というわけでもないんです。たとえば、地上波のコンテンツを違う媒体で再配信することが簡単にできない。ここには権利関係の問題が横たわっています。だけど、テレビ局には取材情報や各種映像がたくさんそろっている。これをそのままにしておくのは惜しい。でも我々が、一旦、ネットコンテンツとして加工して配信してしまえば、いろんなところに出しやすくなるんです。そういうもくろみはあります。

――テレビ局のリソースをネットで出しやすくするための、フォーマット変換みたいなことですか?

そういう意味合いもありますけど、まだ違うかもしれません。まず、この4月から始まった『ホウドウキョク』という24時間報道専門チャンネルというスタイルは、プロジェクトの第1弾なんです。夏頃から第2弾が始まるんですけど、それはコンテンツの内容は変わらなくても、見え方が変わるというものです。

――どういうことでしょうか?

たとえば、移動中にスマホでニュースを見ようとしている人、アプリでコンテンツを見ている人、会社のPCで情報を見ている人。今ってコンテンツの受け取り方が、シチュエーションやデバイスによってさまざまじゃないですか。第1弾の『ホウドウキョク24』は、24時間の報道チャンネルだけど、第2弾は、今ある番組を切り分けて、それぞれの端末向けにコンテンツとして出していくマルチデバイス型のニュースコンテンツの集合体になるという感じで考えています。

――なるほど。

たとえば、スマホ経由で最新のニュースを知りたい人には、最新のニュースが並んでいるニュースサイトに見えるし、そのニュースについてもっと深く知りたい人には、過去のニュースの検証や討論のコンテンツが検索できるようになっている。そんなイメージです。

――見る端末によって違うコンテンツに見えるということですね。

今の時点では、リアルタイムで見てもらうことを考えているんですけど、第2段階では、アーカイブをどのように端末ごとに切り出していけるかという部分がポイントになると思います。最終的には、その両方を行き来させるのが目標ですね。

今はまだ、ニュースはテレビで見るもの、またはYahoo!みたいなウェブで見るものというのが当たり前の感覚ですよね。そこに、『SmartNews(スマートニュース)』や『グノシー(Gunosy)』といった、スマホで見ることを意識したニュースサービスが登場してきた。でも、テキストを読むのって結構疲れるでしょ。最終的な出口として、スマホで動画。持ち歩いてニュースを見るっていう時代が来るんだと予測しているんです。

硬直したニュースをどうやって変えるのか?

――話を番組の内容に移しますが、「フジテレビらしさ」もあちらこちらに出ていますよね。

報道専門の24時間チャンネルというのは、『NNN24』『ニュースバード』といった先行例があるので、それと同じようにやってもしょうがない。だったら違うもので勝負するしかないんです。朝は、モデルの市川紗椰、太田エイミーが交互にMCを勤める報道番組『Startup! 180』から始まるんですけど、単にバラエティーっぽい感じにしたわけではないんです。

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