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培養肉のディープテックがSFを後押しするワケ インテグリカルチャーは新たな食文化を作る

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  • 井上 達彦 早稲田大学商学学術院教授
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井上:CulNetシステムが御社のコア技術ですね。川島さん、どのような特徴を持っているのでしょうか。

川島 一公(かわしま・いっこう)/2012年、広島大学にて博士号 (農学)を取得。米ベイラー医科大学フェロー、日本学術振興会 (DC1, PD)フェローを経て、インテグリカルチャーを共同創業。2018年4月から取締役兼CTOに就任。日本生殖内分泌学会 学術奨励賞など学会賞を複数受賞

川島:CulNet システムは、コスメから食材までさまざまな利用範囲をもった汎用大規模細胞培養技術です。

10年ほど前にオランダの培養肉のハンバーガーが話題になりました。研究費を含めると1つあたり3500万円、大量生産できたとしてもハンバーガーひとつ1400円とのことでした。

培養肉のコストが莫大になる理由は2つあって、1つには細胞の培養に必須な培養液の単価がものすごく高いこと。そしてもう1つには効率的な培養をするための技術が未熟であることです。

これまでの培養方法は、大きなタンクの中で細胞を撹拌するというものでした。これは、自然界の生物による組織化メカニズムとはかけ離れています。

そこで自然界の体内システムに学び、それと似たシステムを構築することで大幅なコストダウンを可能にしたんです。

臓器を装置に置き換えた

井上:人体を模倣したというのは、どういうことでしょうか。

川島:人間の体にはいくつもの臓器があって、それが血管でつながっています。心臓がポンプの役割を果たして、血液がぐるぐると循環しています。体に必要な栄養成分やホルモンは、血液がこれらの臓器を循環することでできていくんです。

だから、この臓器の組み合わせを装置に置き換えれば、効率よく、安価に細胞の成長を促すことができます。

(インテグリカルチャー提供)

もし、これを一般的な細胞培養でやろうとすると、さまざまな栄養成分とホルモンを1つひとつ外から入れてコントロールしなければなりません。多くのホルモンは1週間以内にだめになってしまうので、適切なタイミングで連続して投与する必要があり、どうしても製造コストが高くなってしまう。だから要素から1つひとつ組み上げるのではなく、環境を準備したんです。

井上:まさにコロンブスの卵ですね。このコンセプトを「体内のシステムを再現する装置」として開発するのは大変だったのではないでしょうか。

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