コニカミノルタ「押し付けない」プラットフォーム 「画像で動きを検知する」技術を強みに共存共栄

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実践の経営学を探究する井上達彦教授が、ディープテックが世界に羽ばたくための要素を探る。スタートアップが持つ技術の芽をいかに育むか。

カメラと写真フィルムから、「画像×AI」へ(写真:Bloomberg)
プラットフォームというと、一人勝ち(Winner takes all)のイメージが強い。エコシステムで言えば支配者として、創出した価値の大部分を持ち去る存在だ。
しかし、実際は支配者的な振る舞いをするプラットフォーマーばかりではない。オープンで、公正なプラットフォームを作りイノベーションを加速化させるものもある。たとえ小さくても生態系の安定性や多様性を保つうえで不可欠な存在だ。
その1つがコニカミノルタ株式会社のFORXAI(フォーサイ)である。このオープンなプラットフォームは、基盤を「画像×AI」に絞り込み、開放性と透明性を徹底させる。基盤技術が明確なので、参加者たちは何を期待し、何を貢献すれば良いのかがわかる。それを活用し補完できるパートナーが集まり、豊かな共創関係が築かれる。
特筆すべきはFORXAIが、他のプラットフォームとの共存を歓迎している点だ。
成熟化しつつあるオープンイノベーションの時代において、プラットフォームの多元化は進む。参加者たちが、どのプラットフォームに参加すべきかを選ぶことができる世界において、コニカミノルタの戦略は1つの模範となる。

井上:画像に特化したオープンプラットフォームを設立した経緯についてお聞かせいただけますか。

吉村 裕介(よしむら・ゆうすけ)/コニカミノルタ株式会社上席執行役員・FORXAI事業統括部長。外資系ITベンダー、日系エレクトロニクスメーカー、外資系戦略コンサルティングファームを経て、2013年コニカミノルタ入社。長期ビジョン・サステナビリティ戦略から中期経営計画までの一連の経営戦略策定をリードした後、2023年4月より、全社の基盤技術開発(FORXAI)とそれを活用した新規事業開発をリード

吉村:コニカミノルタはもともと、カメラや写真フィルムなどからスタートしています。それを現代のAI技術を活用しつつ昇華させ「イメージングの技術で社会に貢献していく」という経営ビジョンを掲げました。

このビジョンを作るときに、われわれの根っこにあるDNAとは何かということで紐解きました。

もともとコア技術として、材料、光学、画像、微細加工がありました。写真やカメラからスタートしている技術です。今はいろいろな画像を使ったソリューションに携わっていますが、これを言葉にすると、いろいろな「みたい」に応える存在となります。看たい、診たい、視たい、見たい、観たい。

これらに対応して、いろいろな「みせる」に取り組み、われわれの事業が生まれてきました。そういったDNAがあります。

井上:これがベースになってオープンなプラットフォームが生まれたのでしょうか。

「先見性×AI」のプラットフォーム

吉村:「みせる」というDNA、これを体現するプラットフォームとして、FORXAIというオープンプラットフォームを立ち上げました。世界中の人たちの「みたい」という思いに応えることで、人々の生きがいを実現していくつもりです。

井上:FORXAIという名前はどこからきたのでしょうか。

吉村:FORXAIは、2つの言葉の意味がかけ合わさっています。

1つは、先見性を示すフォーサイトという言葉です。もう1つはAIです。AIを社会のために活かしていくという意味をかけ合わせてネーミングしました。

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