実践の経営学を探究する井上達彦教授が、ディープテックが世界に羽ばたくための要素を探る。スタートアップが持つ技術の芽をいかに育むか。
井上:画像に特化したオープンプラットフォームを設立した経緯についてお聞かせいただけますか。
吉村:コニカミノルタはもともと、カメラや写真フィルムなどからスタートしています。それを現代のAI技術を活用しつつ昇華させ「イメージングの技術で社会に貢献していく」という経営ビジョンを掲げました。
このビジョンを作るときに、われわれの根っこにあるDNAとは何かということで紐解きました。
もともとコア技術として、材料、光学、画像、微細加工がありました。写真やカメラからスタートしている技術です。今はいろいろな画像を使ったソリューションに携わっていますが、これを言葉にすると、いろいろな「みたい」に応える存在となります。看たい、診たい、視たい、見たい、観たい。
これらに対応して、いろいろな「みせる」に取り組み、われわれの事業が生まれてきました。そういったDNAがあります。
井上:これがベースになってオープンなプラットフォームが生まれたのでしょうか。
「先見性×AI」のプラットフォーム
吉村:「みせる」というDNA、これを体現するプラットフォームとして、FORXAIというオープンプラットフォームを立ち上げました。世界中の人たちの「みたい」という思いに応えることで、人々の生きがいを実現していくつもりです。
井上:FORXAIという名前はどこからきたのでしょうか。
吉村:FORXAIは、2つの言葉の意味がかけ合わさっています。
1つは、先見性を示すフォーサイトという言葉です。もう1つはAIです。AIを社会のために活かしていくという意味をかけ合わせてネーミングしました。
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