井上:将来的にはグローバルな展開も見込めそうですね。このようなサービスにスタートアップが参加することもあるのでしょうか。
吉村:さまざまなスタートアップが参加してくれます。
高齢者の排泄の状況をモニタリングするセンサーを開発した企業。 その音声データから感情を認識する技術を持っている企業。あとはデータからAIでケアマネージャーが作るケアプランを自動生成する技術を開発する企業などです。そういったスタートアップさんの技術を、うまく組み込めるような形になっています。
たとえば、食品工場に特化した、食品の検査のAIを、ご提供いただくようなパートナーを探したりとかします。「ピンポイントでここにはまる」というスタートアップを探すこともあります。技術を持っているスタートアップとしては、その技術をマーケットで広めたいので、お互いWin-Winの関係になります。
井上:スタートアップ側からすると、大企業と組んだ場合に、販路が制約されるとか、いろんな制約条件がついてしまうところがデメリットになると聞くことがあります。
安心して参加してもらう哲学
吉村:それはないですね。安心して参加いただけることが重要です。
「大企業がスタートアップを飲み込んでしまうんじゃないか」とか「虎の子の技術が奪われてしまう」とか、そういう心配が少しでもあると参加しづらくなるので、われわれも気を付けてやっています。そういう意味でも完全にオープンにやっていくのが前提ですね。
井上:さらっとおっしゃいましたけど、この哲学めいたものって最初からあったのでしょうか。
吉村:自分たちだけではできないことはパートナーにやってもらうのが前提となります。ただ、われわれはFORXAIのテクノロジーへのこだわりはあるので、行動認識をベースにしながら、いろいろな方に参加していただきたい。だから安心して参加してもらうという哲学でやらないといけない。
逆に言うと、これに賛同、共感していただいている方が参加して一緒にやってもらえるということだと思います。
井上:すごいですね。このルールを受け入れた瞬間に、今まで抱いていたビジネスの常識みたいなものがニュートラルになるというか。更地になる感じですね。
経営学者・井上達彦の眼
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