コニカミノルタ「押し付けない」プラットフォーム 「画像で動きを検知する」技術を強みに共存共栄

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吉村:FORXAIは、現場のデータを感知・収集する「エッジデバイス」、高速で画像データをAI処理する「イメージングAI」、そしてクラウド経由でセンサーデータや画像情報を連携・活用する「IoTプラットフォーム」の3つから構成されています。これらをパートナーの技術と掛け合わせることで、素早く高品質のソリューションを創出します。

パートナーの種類は2つあります。

1つは技術パートナーと呼ばれているもので、FORXAIのプラットフォームの中に、AIやデバイスといった技術を提供いただき、ソリューションを作る要素をご提供いただくパートナーです。

もう1つはソリューションパートナーといって、お客さまに提案・提供して、実際の収益に結びつけていくパートナーです。

井上:どのような企業がパートナーとなっているのでしょうか。

吉村:全部で62社いらっしゃいます。大手も多いのですが、会社の規模には特にこだわっていません。スタートアップの企業さんとも最近コミュニケーションする機会が増えました。

パートナーは、必ずしも社外だけではなく、コニカミノルタ自身が技術提供者になったり、ソリューション提供者になったりすることもあります。

井上:この中には自社でオープンイノベーションのプラットフォームを持つ会社も入っていますね。画像に特化することで棲み分けができているということなのでしょうか。

自社の技術にはこだわっていない

吉村:画像の中には、よりフォーカスした領域があります。たとえば顔認証はNECさんが圧倒的にトップを走ります。一方、われわれには、検査や人行動に特化した強みがあります。

要するに、自社の技術にこだわってはいないということですね。AIとデバイスとプラットフォームが全部揃って強いビジネスになります。AIが他社さんのものでもいいですし、デバイスが他社さんのものでもいい。パートナーと一緒にその三位一体を作っていくのが基本的な方針です。

井上:具体的な事例もご紹介いただけますか。

吉村:1つは、食品工場向けのDX(デジタルトランスフォーメーション)です。

食品工場では、突発的な出来事にヒヤリとしたり、ちょっとしたミスにハッとしたりする、いわゆるヒヤリハットが起こりやすいのです。スリップしたり、ぶつかったり、事故も起こるので、それを見つけたら、当然、直ちに対応する必要があります。

アンリツ株式会社さんは、食品向けの検査における強みを発揮してトップレベルのシェアをお持ちです。アンリツさんが提供している食品検査機、見える化を加速する産業DXソリューションなどのIoTにわれわれのイメージングAIをつないで、労働安全性を高めることにしました。

データを蓄積しながら、食品工場のどこに危険が潜んでいるかを可視化しています。エリアに人が入ったことを検知したり、どういう動きをしたかをモニタリングしたりする。

食品工場の人の動きを可視化(コニカミノルタ提供)

井上:どのような形で収益が得られる仕組みになっているのでしょうか。

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