吉村:アンリツさんのソリューション全体の中に、われわれの部品を埋め込んだ形になります。AIのアルゴリズムを提供しているのが1つです。そしてもう1つは、実はエッジデバイスだとか、そういったものをセットにして提供する形になっています。
アルゴリズムとハードウェアとアプリケーションソフトウェアをセットでご提供して、売れた分だけその収益の一部を頂戴します。
この場合は、アンリツさんがフロントなので、アンリツさんがお客様からお金をいただいて、その一部がわれわれの収益となります。
アンリツさんにはハードウェア込みでご提供していますが、別の会社さんにはAIだけを提供しています。IoTのプラットフォームを持つ会社にはAIだけをご提供します。パートナー会社が何を持っておられるのかによって提供形態は異なります。
たとえば、カメラが1台入っていて、そこにAIを搭載するとなると、カメラの台数×月次の課金という形になります。その場合も、さまざまな課金の仕方があります。
井上:いずれにしても、押し付けない感じですね。必要なものだけという方針は、参加する側としても魅力的です。
吉村:あまり自社の製品にこだわりすぎると、コンフリクトが発生しかねません。基本は、パートナーやお客様が何をやりたいかに合わせて提供していく。
ただ、別にわれわれは何か新しく開発するわけではないのです。単に、何を切り出すのか、どう課金するかの問題なので、あまり手間がかからないのが、このビジネスモデルのいいところです。
データを蓄積しソリューションをつくる
FORXAIの一つの特徴は、人の骨格を推定して人の動きを検知するアルゴリズムにあります。天井にカメラを備え付ければ、色々な障害物があっても死角なく人の動きを見ることができます。何が起こったのかを瞬時に検知ができる。そして行動についてのデータを蓄積してソリューションに結びつけることもできます。
井上:データを蓄積して新たなソリューションをつくるというのは面白そうですね。具体的な事例もご紹介いただけますか。
吉村:介護施設では、入居者の転倒やベッドからの転落事故が大きな問題となっています。天井にカメラ型センサーを設置して、骨格推定の技術を使えば、何か起きた時にすぐにそれを検知して駆けつけることができます。
ただ、そもそもそういった事故が起きなければ、大事には至りません。駆け付けの回数も減らすことができます。転倒や転落にかぎらず、入居者の日々の動作や行動はすべてデータとして取得することができます。
たとえば、ベッドから車椅子に移る動作が、どれだけスムーズにできるのかを、時系列を追ってモニタリングしていく。そして、高齢者の活動がどれだけアクティブになったのかというデータを蓄積することで、それぞれの方のアセスメントができる。どのようなケアを実施すればいいのか、介護施設として計画が立てられるようになります。
このビジネスに関しては、丸紅さんと一緒にやらせていただいています。
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