女優・伊藤かずえの愛車で振り返る日産「シーマ」 バブルで爆発的なヒットを記録した高級セダン

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伊藤かずえさんの初代シーマ
伊藤かずえさんの初代シーマ(筆者撮影)

そんな背景や特徴を持つのが、伊藤さんの愛車シーマだ。日産がレストアを行った経緯は、伊藤さんが所有して30年目となる2020年の車検時、ディーラーから記念の花束を贈られたことで、その写真をSNSへ投稿したことがきっかけだ。その写真を見た人々から、「レストアしてもっと長く乗ったら?」との声が多く寄せられたそうで、それらに対し日産側も対応。有志によるレストア・プロジェクトが立ち上がったのだという。

レストアは2021年12月に完了。パールホワイトの外装色を再塗装したほか、電子制御エアサスペンションも修理を実施。走行距離は26万kmを超えているが、3L・V型6気筒エンジンは走行10万km時点で交換しているそうで、いまだに元気に走るのだとか。ほかにも、古いクルマでは黄ばみが出やすいヘッドライトもクリアそのものだし、生地を張り替えたシートも高級感満点だ。

インテリア
フルレストアされて美しいインテリア(筆者撮影)

ちなみに、日産の担当者によれば、「(伊藤さんの)乗り方もよかった」そうだ。例えば、路肩にある段差などにタイヤをぶつけたりすると、古いクルマではハンドルのズレなども出てくるそうだが、そうした症状もなかったとのこと。さらに、Y31型の車両は、じつは2014年までタクシー向けなどに生産が続いていたそうで、部品も入手しやすく、結果的にレストアもスムーズに進んだという。

時代を作ったシーマは輝きを取り戻し走り続ける

伊藤かずえさん
会場で行われたプレスカンファレンスにも登場した伊藤かずえさん(筆者撮影)

ともあれ、見事に復元された初代シーマは、まるで新車のような輝きを放っていたことが印象的だ。昭和に作られたクルマは、開発費や部品などにコストもかけられたことで、頑丈で耐久性も高いということもよく耳にする。伊藤さんの初代シーマも、メーカーの手によるレストアがあったとはいえ、とても30年前のクルマとは思えない美しさだ。

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今では、ニーズの衰退により、ラインナップが激減してしまったセダン。とくに国産高級車といえば、トヨタの「アルファード/ヴェルファイア」などの大型ミニバンにそのポジションを奪われて久しい。残念ながら、日産のラインナップから消えてしまったシーマだが、とくに初代モデルは、高級車を最も一般的にした立役者として、今でも歴史に残る名車の1台だといえるだろう。

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平塚 直樹 ライター&エディター

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ひらつか なおき / Naoki Hiratsuka

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなどの専門雑誌やウェブメディアの編集者を経てフリーランスに。生粋の文系ながら、近年は自動運転や自動車部品、ITなど、テクノロジー分野の取材・執筆にも挑戦。ほかにも、キャンピングカーや福祉車両など、4輪・2輪の幅広い分野の記事を手掛ける。知らない事も「聞けば分かる」の精神で、一般人目線の「分かりやすい文章」を信条に日々奮闘中。バイクと猫好き。

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