メディアがくどいほど"猛暑"を報じる納得の理由 なぜ私たちは猛暑情報に毎日食いついてしまうのか
今なら通勤、夏フェス、高校野球甲子園大会などの是非を論じる人もいますし、ゲリラ豪雨、雷、台風、ひょう、あられなども含めて話す人もいるでしょう。主婦の中には「子どもや親を猛暑から守ろう」という人が多く、テレビやネットで情報収集してアプリやSNSなどで友人と共有する人もいるようです。メディアはそれらの人々に向けて、猛暑という話題のネタを提供しているのでしょう。
「いい身分」「運がいい」の優越感
そして最後にもう1つピックアップしておきたいのが、在宅者の“優越感”狙い。猛暑関連のニュースには、「買い物や犬の散歩など以外は外出しない」という主婦、在宅ワークやリモートワークの人、学校や仕事が休みの人などに「優越感を得てもらおう」という制作意図もあると言われています。
暑そうな人々を見て、「自分はいい身分にいる」「家にいられて運がいい」と感じてもらおう。あるいは、外出しないことや、勉強や仕事をサボっていることへの「仕方がない」という言い訳にしてもらおう。もし何かしらの不満を抱えていたとしても、「あんなに暑い思いをしなくてもいい自分のほうがマシ」と思ってもらおう。
とくに情報番組の制作サイドには、そのような在宅者の優越感をくすぐるような構成で連日の視聴を狙っているところがあります。あなたも情報番組で猛暑関連のニュースを見て、「暑そうだな」と言いながらもニヤリとしてしまったことはないでしょうか。
このところ猛暑関連のニュースが増えているのは、メディアとして危機を呼びかけることや、ビジネスとして数字を上げることだけではありません。「この番組を見ている自分も、ほかの視聴者も涼しいところにいる」という優越感の共有が演出されているのです。
ちなみに現在、情報番組の話題の軸となっているのは、猛暑と大谷翔平選手の2つ。関連性のないことのように見えますが、「涼しい家で見られることの優越感を得てもらおう」という点では共通しているのではないでしょうか。
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