任天堂の今期は「3DS」がいったん失速するが大型ソフトで巻き返し。Wii後継機を来期投入
任天堂の今2012年3月期の業績は、前期比で強含み程度となりそうだ。会社側は25日、前11年3月期決算を発表し、今期の通期計画を売上高1兆1000億円(前期比8.4%増)、営業利益1750億円(同2.3%増)と発表した。「東洋経済オンライン」は、決算会見と翌26日の決算説明会における会社側説明を点を妥当と判断し、今期予想を会社計画に合わせる。
なお、同時に発表された据え置き型ゲーム機「Wii」の後継機は、後述のとおり来13年3月期の投入となることから、今期の予想数字には織り込んでいない。また、発売時期や仕様などの詳細が明かになっていないことから、来期についても暫定的な予想とする。
前期の実績は、売上高1兆143億円、営業利益1710億円だった。主力であるWiiや「ニンテンドーDS」は、ハードとソフトともに、売り上げが減少した。「お客様がぜひ買いたいと思うようなソフトが少なかった」と岩田聡社長は振り返る。円高が860億円の減収要因となったほか、ハードの値下げも影響した。
一方で、国内では2月末、欧米では3月末に、携帯型ゲーム機の新製品「ニンテンドー3DS」を発売した。計画では、前期中に400万台を出荷予定だったが、結果的には3月末までの3DSは360万台の出荷にとどまった。
3DSの出足が伸び悩んだのは、主に国内市場においてである。3月11日に発生した東日本大震災後、消費マインドが冷え込み、任天堂もテレビCMなどの一切の宣伝を自粛した。これにより、「新製品を買ってみよう」と考える、カジュアルユーザーへの訴求が不足した。ただ、欧米でも予約販売は絶好調だったものの、2週目以降は減速している。「普及シナリオを見直さなければならない」と岩田社長は分析する。