修正後の決算報告書によれば、恒大汽車が2017年に自動車事業に参入して以降の累計損失は989億元(約1兆9344億円)に上る。
2022年末時点の同社の総負債は1838億7200万元(約3兆5964億円)、同時点の総資産は1152億2100万元(約2兆2536億円)であり、すでに債務超過に陥っている。
それだけではない。恒大汽車の監査法人は、修正後の決算報告書に対して内容の適正性を証明できない「意見不表明」の判断を示した。このことは、同社の財務の実態が依然として不透明であることを示唆している。
資金調達計画は「絵に描いた餅」
今後の事業継続能力について恒大汽車は、「わが社は現在も450人以上の研究開発エンジニアを雇用し、天津市に年間生産能力5万台の工場を保有している。したがって、わが社は自動車事業を継続できる条件を備えている」と説明する。
さらに同社は、増資と借り入れを通じて約5億ドル(約700億円)を調達し、恒大汽車の初の市販モデル「恒馳(ヘンチー)5」の生産・販売と会社の運転資金に充てることを計画。それにより、EV生産のための資金繰りや従業員の賃金未払いなどの問題の軽減を目指している。
だが、資金調達を実現できる見通しは立っておらず、計画は「絵に描いた餅」に終わるかもしれない。
(財新記者:戚展寧)
※原文の配信は7月28日
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