酷暑でも働き方・部活の変革を拒む日本の不思議 惨事が起きる前に試される日本人の自己変革力

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ここまで書いてきて残念に思うのは、国が動かないと、あるいは実際に大惨事が起こらないと動き出さないという、企業・学校・国民の反応の鈍さです。

通勤や外回りで従業員が健康を害したり、生産性が低下したら、困るのは企業です。別に経済産業省や経団連からの通達があってもなくても、企業はテレワークを率先して導入するべきでしょう。

学校の役割は、生徒の心身の健全な成長を促すことで、酷暑のような成長を妨げる要因には対処する必要があります。文部科学省からの通達があってもなくても、学校は率先して部活動のあり方を見直すべきでしょう。

そして何より、酷暑で害を被るのは、国民自身です。国や勤務先・学校の方針などに関係なく、テレワークをし、屋外ではマスクを外し、激しい運動は控え、自分の健康を守ることを優先するべきでしょう。

変われない日本でいいのか

日本国・日本人は、自己変革をすることが苦手だとよく言われます。たしかに古くから、白村江の戦い・蒙古襲来・黒船来航・GHQ進駐と、大きな外圧があったときに国家のあり方が変わりました。

もし近年の酷暑を一過性の異常現象だと思うなら、企業・学校・国民は活動・行動を変える必要はないかもしれません。しかし、一過性ではないトレンドの転換だと思うなら、活動・行動を大きく変える必要があります。

そして、どうせ変えるなら、大惨事が起こってからやむなく変えるというのではなく、自ら進んで変革に取り組みたいものです。今回の酷暑では、日本人の自己変革力が試されています。

日沖 健 経営コンサルタント

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ひおき たけし / Takeshi Hioki

日沖コンサルティング事務所代表。1965年、愛知県生まれ。慶應義塾大学商学部卒業。日本石油(現・ENEOS)で社長室、財務部、シンガポール現地法人、IR室などに勤務し、2002年より現職。著書に『変革するマネジメント』(千倉書房)、『歴史でわかる!リーダーの器』(産業能率大学出版部)など多数。
Facebook:https://www.facebook.com/takeshi.hioki.10
公式サイト:https://www.hioki-takeshi.com/
 

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事