30歳前後で意欲のない社員が増えている--『「新・ぶら下がり社員」症候群』を書いた吉田実氏(株式会社シェイク代表取締役社長)に聞く

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30歳前後で意欲のない社員が増えている--『「新・ぶら下がり社員」症候群』を書いた吉田実氏(株式会社シェイク代表取締役社長)に聞く

かつて、「ぶら下がり社員」といえば、会社に来ても新聞などを読んで過ごし、定時に退社するような社員を指していた。年齢は先の見えた中年以上と決まっていた。しかし、最近は30歳前後なのにあらゆることをあきらめ、くすぶっている社員が増えているという。とりあえず、与えられた仕事はこなしているが、それ以上のことはしない。著者はこうした社員を「新・ぶら下がり社員」と名付けた。


--吉田社長の経歴ですが、商社マンから人材ビジネスの世界に転身というのは珍しいですね。

2003年に大阪大学の先輩であり、シェイクの創業者である森田英一氏から「事業領域を人事にするので、一緒にやろう」と誘われました。住友商事に勤務して6年半が過ぎ、このままでいいのか、と迷っていた時期です。学生時代に「人を元気づける仕事をしたい」という熱い想いがあったのですが、その想いが実現できないのではないかと不安を感じていました。そんな時にオファーがあったので、家族の反対を押し切ってシェイクに入社することにしました。

--本書でいう30歳前後というのは、1980年頃に生まれた今の30歳前後の世代を意味するのですか?

そうではありません。組織の中にいる30歳前後の人という意味です。30歳というのは節目の年齢です。キャリアステージも変化するし、結婚や子どもの誕生でライフステージも変化します。非常に重要な時期ですが、最近、その30歳前後の社員に元気がないのです。

--30歳前後がくすぶっている事例は本書の中でも紹介されています。しかし、ぶら下がりにならない人もいます。その差は何ですか?

働く目的があるか、ないかがポイントだと思います。昔は特に目的を見い出さなくても、とりあえず一生懸命働いていれば収入は増えたし、出世もできました。しかし、今ではそうなりません。そこで、多くの人は30歳前後になると何を目的にしたらいいかわからなくなり、ぶら下がり社員となってしまうのです。

こうした状況に甘んじている人もいますが、何とかしたいと思っている人もいる。私は、そうした人達の力になりたいと思っています。

--本書でいちばん訴えたかったことは?

「30歳であきらめるな」ということです。30歳前後は新たにスタートをする年齢です。しかし、最近、30歳前後の社員に元気がありません。くすぶった気持ちを抱えたまま、その状況に甘んじている人が増えてきているのです。

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