アップルが「高齢者にiPad」を推進するワケ

日本郵政との提携に隠された狙い

ところが、中華圏の旧正月は時期が後ろにずれて第2四半期に含まれているため、後述のiPhoneの大きな伸びを作り出すことに成功している。中華圏でのさらなる成長は、第1四半期・第2四半期の双方で、大きな売り上げの「山」を作ることができるようになりそうだ。

なお、中国での売り上げは168.2億ドルとなり、欧州を抜いて2位の市場となっている。裏を返せば、アップルにとって中国は非常に重要な市場であり、ユーザーや当局との慎重なコミュニケーションが必要になる。また、中国の景気も、大きな変動要素として受け入れなければならない。

iPhone・MacとiPadの明暗

個別の商品について見ていくと、iPhoneの好調さが目立つ。6120万台の売上は、前年同期比で28.6%の増加となり、予想も大きく上回った。次いで好調さを見せたのはMacで、予想通りの460万台。この数字も、1年前より50万台増やしている。

iPhoneとMacは基本ソフトであるiOS 8とOS X Yosemiteの連携を実現し、「iPhoneを使っている人が使いやすいパソコン」というポジションを作り上げている。以前Macがアップルのビジネスの中心だったことを考えると、いつのまにか大きな転換を遂げている。

言い方を変えれば、iPhoneユーザーのためのコンピュータ、というブランドによって、四半期に6000万台以上売れているiPhoneユーザーへの訴求を強めている。例えば、iPhoneユーザーの1割がMacを購入するようになるだけで、これまで以上のMacを販売することができるのだ。
その一方、不調が際立ったのがiPadだ。

iPadはiPhoneと同じiOS 8を搭載し、タブレット市場では依然として優位に立っているものの、アップルの決算の中で影を落とす存在だ。2015年第2四半期の販売台数は1260万台で、予想の1400万台、前年同期の1640万台に届かなかった。

多くのウォッチャーから指摘されているiPadの問題点は、常にiPhoneとの比較がつきまとう。

iPhoneのように2年ごとの有利な購入条件がないこともあり、買い換えサイクルが作れていないこと、買い換えサイクルが一般的なPCと同じ4年以上であること、そしてiPhoneやその他のスマートフォンの大型化で魅力が薄れたことだ。

個人的には、それでもアップルはiPadの製品ラインを堅持すべきだと考えている。アップル Watchは現在はiPhoneとペアリングするアクセサリだが、技術進歩によってアップル Watchが処理や通信の主となった際、持ち歩けるパーソナルな「画面」として、iPadは重要な役割を担うことになると予測しているからだ。

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