「鰻丼」を食べる人が知らない"昔の驚きのタブー" かつて鰻飯と呼ばれ、今とは外見も中身も違う

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その背景には、人々が一膳飯のタブーから開放され、おかわりなしのどんぶりものに慣れていったことがありますが、もう一つ理由があると思われます。ウナギの養殖です。

明治時代に始まったウナギの養殖ですが、昭和10年には養殖物のウナギが総供給量の70%を超え、天然物を上回るようになります(増井好男『ウナギ養殖業の歴史』)。

大人のウナギを使う鰻丼が普及

かつて鰻飯に使われていた安い子供のウナギは、養殖用として買われ値段が上がり、昭和時代になると銀座の竹葉亭などの高級鰻店の料理となります。

一方で大人のウナギの値段は、養殖の発展により手頃になっていきます。こうして高価になっていった子供ウナギを使う鰻飯は次第に廃れ、現在のような大人のウナギを使った鰻丼が普及していったものと思われます。

近代食文化研究会 食文化史研究家

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きんだいしょくぶんかけんきゅうかい / Kindai Shokubunka Kenkyukai

食文化史研究家。2018年に『お好み焼きの戦前史』を出版。以降、一年に一冊のペースで『牛丼の戦前史』『焼鳥の戦前史』『串かつの戦前史』『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』等を出版。膨大な収集資料を用いて近代の食文化史を解き明かしている。(Amazon著者ページTwitterアカウントnote

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