三菱UFJFGは優先株転換でモルガン・スタンレーの筆頭株主に。海外業務拡大への第二ステージ


 一方、MUFGの株式転換は、モルガン・スタンレーの財務面から見ると自己資本の質の強化につながる。リーマンショックを受けて見直された銀行の国際的な資本規制では、中核的な自己資本である普通株の増強を求めている。MUFGが保有する優先株が普通株に転換されることで、モルガン・スタンレー側ではコアTier1と呼ばれる中核的資本の比率が2%強押し上げられるため、業績・財務面で互いにメリットがある形といえる。

「MUFGは国内では総合金融業務を行っているが、グローバルバンクの一角を目指すうえでは、海外は商業銀行業務をコアとして経営資源を投入していく。代表的な投資銀行であるモルガン・スタンレーとMUFGとでは事業形態がまったく違う。独立したパートナーとして、それぞれが得意分野に経営資源を集中して強いプレーヤーになることを目指している。そのため(さらに出資比率を上げて)支配株主になる必要はないというのが現時点の考え方だ」(平野副社長)。

Relationship for decades(何十年にもわたる関係)−−。モルガン・スタンレーの経営陣からはそう言われる関係を築いている、というMUFG。業界を驚かせたリーマンショック直後の巨額出資を経て、普通株への転換で2割超の議決権を握ることはMUFGにとって大きな節目となろう。当初の狙いだった資本関係における”最終形”を構築し、今後、いかに実業で多くの協業実績を上げられるかが、両社の提携の意義を評価するポイントになる。
(井下 健悟 =東洋経済オンライン)

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