「デフレ脱却」できないことが日本経済を救う皮肉 家計も企業もアフターコロナ回復は早くも失速

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景気ウォッチャーのコメントでは、「ゴールデンウィーク明けの新型コロナウイルス感染症の5類移行直後くらいから、人の流れ、雰囲気が、若干良い方向に向き始めたのかと思っていたが、すぐに全く人が動かなくなってしまった。ゴールデンウィーク疲れもあるだろうが、出るチャンスを失ってしまったような雰囲気が、高齢者には見受けられる」(北関東、衣料品専門店〈販売担当〉) というものがあった。前述の人流データと整合的である。

回復が期待されるインバウンド需要については、「インバウンド消費もほぼ横ばいで、中国人来訪者の増加を見据えていたが、少し拍子抜けした感じである」(南関東、百貨店〈営業担当〉)とのコメントがあった。中国からのパック旅行が解禁されない状況で、インバウンド需要は回復の勢いが鈍っている可能性がある。

設備投資の先行きに不安

5月の機械受注(船舶・電力除く民需)は前月比マイナス7.6%、2カ月ぶりに減少した。単月では非製造業(前月比マイナス19.4%)が大きく落ち込んだことが主因で、製造業は同3.2%増だったが、製造業も減少傾向にある。

機械受注

世界経済が減速し、輸出や生産が低迷する中、設備投資が伸び悩むことは自然な動きである。少なくとも受注(発注)の段階ではコロナ後のペントアップ需要が一巡しつつある可能性が高い。

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