「デフレ脱却」できないことが日本経済を救う皮肉 家計も企業もアフターコロナ回復は早くも失速

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また、「小売り・レストラン」の人流データは6月にかけて減少している。

小売り・レストランの人流データは減少

新型コロナの感染第9波などの影響もありそうだが、6月は連休や祝日がなかったことから(梅雨という季節性もあり)、外出が抑制された面もありそうである。夏休みの旅行需要は強いという報道もあるため、シーズンにおける「メリハリ」もあるのだろう。

いずれにせよ、メリハリが重視される中で、結果的にならしてみれば消費水準があまり上がってこない可能性が高い。個人消費に過度な期待はできない。

家計・企業のマインドは改善一巡

6月の景気ウォッチャー調査では、景気の現状判断DI(季節調整値)は 53.6(前月差マイナス1.4ポイント)と5カ月ぶりの低下、先行き判断DI(同)は52.8(同マイナス1.6ポイント)と2カ月連続の低下となった。

景気の水準に対する判断を示す現状水準判断DI(同)は50.5(同マイナス0.4ポイント)と5カ月ぶりに低下した。現状判断DIでは家計動向関連の飲食関連(同マイナス3.7ポイント)と小売り関連(同マイナス3.0ポイント)の低下幅が大きかった。

6月の消費動向調査も消費マインドの総合指数である消費者態度指数が36.2と、前月の36.0から改善したものの、改善ペースは低水準で鈍化してしまった。

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