──歴史問題について、日本の安倍首相の政治姿勢をどう評価するか。
歴史問題を後回しにして、先に進むべき時だ。第二次世界大戦終了から70年目の今、お互いに21世紀に向かい合うべきであり、20世紀の細部にとらわれていてはならない。安倍首相は時として歴史問題に現実的な姿勢をみせる。この現実的な側面が持続することを期待したい。
安倍首相は岸信介の孫で、そのことがその歴史観に影響している。2013年末の靖国神社参拝は日本の近隣国を刺激しただけでなく、米国政府を失望させた。あのような行動は、その価値以上に犠牲が大きいことに気づいてほしい。彼は実績を作ることを望んでいる。そこにはTPP締結、日米防衛ガイドラインの改訂だけでなく、北朝鮮との有事に備えた韓国との関係修復も含まれている。考えるべきはそうした事柄であって、歴史ではない。
沖縄に大規模基地を置く体制は見直す必要がある
──沖縄は不安要因であり続けている。普天間代替施設計画について米国はどうするべきなのか。
辺野古に代替施設を建設することについて、沖縄側に十分な政治的な支持があるなら、計画を進めるべきだ。しかし、それが可能かどうかは分からない。先行きを見守る必要がある。もっと大切な問題は、10年先を見通すことだ。米軍をどのように配備したいのか。
私は、日本列島各地の複数の基地に米軍を分散配置することを検討するよう提案する。そうすることで基地の脆さを軽減し、同時に、日本の国旗を掲げた日本の基地でありながら米軍が交代で駐在していることを明確に示すことができる。三沢飛行場が好例だ。10年先を見越して、米軍と自衛隊が共同で行動できる、同盟関係の継続、米軍の強いプレゼンスの継続をどうやって確保するかを考えれば、長期的な解決策として、沖縄に固定させた大規模基地の考え方から離れることがどうしても必要になる。
この10年を見越したプロセスに向けて計画するべきであって、普天間の米軍を辺野古の新しい設備に移設する計画に一か八かすべてを賭けるべきではない。
──これはあなたの個人的な意見か。それとも同じアプローチを検討している者が米国政府にいるのか。
これは私個人の考えだが、政府にいる友人に提言したことはある。私は、笹川平和財団と戦略国際問題研究所 (CSIS) が組織した日米安全保障研究会などでも自分の考えを述べてきた。
しかし、あくまで個人的な意見であり、沖縄に関する新しいアプローチを広めるために国防総省の代わりに行動しているわけではない。実際、国防総省にそのような考えの人はほとんどいない。多くは私が孤立無援の立場にあることを証言するだろう。
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