山下達郎、中田敦彦、鳥羽周作…失言する人の急所 “釈明"が“炎上"にすり替わる3つの危険なスイッチ

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鳥羽周作
鳥羽周作さん(写真:鳥羽さんのYouTubeより)

鳥羽さんは『週刊文春』のインタビューで「全面的に申し訳なかった」などと広末さんとの不倫を謝罪し、社長辞任の意向を示すなど冷静に対応。しかし、不倫に至る過程やセンセーショナルに報じられた交換日記についてふれたほか、「今も本気で向き合っている」「彼女と進んでいくという覚悟」「自分がサポートしてあげたい」などと感情たっぷりに語りました。広末さんの夫であるキャンドル・ジュンさんや迷惑をかけた仕事関係者などへの謝罪がほとんどなく、「情熱的な愛情を語っただけ」のように印象を残してしまったのです。

感情的になることで炎上リスクは高まる

釈明ではなく“提言”という形でしたが、中田さんの動画も同様でした。

「松本さんは審査員をやりすぎている」という指摘は多少の矛盾こそあれ、事実に基づいたものだったものの、徐々にヒートアップ。「松本さんは松本さんを超える才能を発掘できなかった」「松本さんのご恩で売れた瞬間が一度もない。むしろディスられてるんで」などと本題と離れた言葉が増え、最後には「そろそろ松本さんの映画が面白かったか面白くなかったか論評してもいいですか。タブー解禁してもらってもいいですかね」などと挑発してしまいました。

立場、年齢、スキルなどが異なる人でも、炎上に向かうスイッチに大きな差はないのでしょう。

中田敦彦
中田敦彦さん(写真:中田さんYouTubeより)

最後にもう1つ、3人の共通点として挙げておきたいのは、話す時間の長さ。山下さんはラジオで約7分、鳥羽さんはインタビュー取材で約200分、中田さんは動画で約43分もの長さがありました。発信する場所は違っても、長く話すほど冷静さやバランスを欠き、感情的になって熱弁しやすく、「最後にスッキリしたい」と思って本音をぶちまけてしまう……そんなリスクが高まることを覚えておいてください。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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