山下達郎、中田敦彦、鳥羽周作…失言する人の急所 “釈明"が“炎上"にすり替わる3つの危険なスイッチ

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山下さんから見たら「嘘偽りなく正直に話した」のですが、聞く人々にとっては「間接的に加担していたかもしれないのに問題意識が薄すぎる。被害者への配慮が足りない」という印象を残してしまいました。

ただそれでも1つ目のスイッチだけで終わればよかったものの、山下さんはさらに炎上のリスクが高い2つ目のスイッチを押してしまったのです。そのスイッチとは、突然はじまったジャニー喜多川さんへの礼賛でした。

「ジャニー礼賛」は見当違いの熱弁

「初代ジャニーズの海外レコーディング作品を聴き、私はとても感動して」
「1970年代の末に、私の音楽を偶然に聴いたジャニーさんにほめていただいて」
「数々の才能あるタレントを輩出したジャニーさんの功績に対する尊敬の念は今も変わっていません」
「ジャニーさんの育てた数多くのタレントさんたちが、戦後の日本でどれだけの人の心を温めて、幸せにし、夢を与えてきたか」
「ご縁をいただいて、時代を超えて長く歌い継いでもらえる作品を作れたこと、そのような機会を与えてくれたことに、心から恩義を感じています」

釈明をする際に重要なのは「自分が思っていることを話す」ことではなく、「それを聞いた相手がどう思うか考えながら話す」こと。誤解を解き、批判を避け、理解を求めたいだけに、自分の手応えなどではなく、「相手がどう思ったか」という印象が釈明の結果を左右するのです。

その意味で山下さんのジャニー喜多川さん礼賛は、まさに見当違いの熱弁でした。未成年に繰り返し行われていたかもしれない性加害について「ふれられない」、あるいは「ふれたくない」のなら、礼賛の言葉も最小限にとどめなければバランスが悪く、この時点で炎上が確定したと言っていいでしょう。

ビジネスパーソンのみなさんが釈明を求められたときは、今回の山下さんほどバランスを欠いてしまうことはないのかもしれません。ただ、話しながら心の中で「釈明のバランスは悪くないか」「本題から離れて熱弁していないか」などと自分に問いかけるクセをつけたいところです。

また、山下さんはその流れでSMAPやKing & Princeの解散やメンバー脱退についてもふれていました。今回の件とはまったく関係ない話であり、もはや山下さんの頭から“釈明”という目的が薄れてしまったのでしょう。その内容が本音や正論だったとしても、聞く側にとってみたら「話をすり替えるな」「責任逃れか」などの不満にしかつながらないものでした。

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