トヨタ自動車と同子会社の格付けを引き下げ方向で見直し《ムーディーズの業界分析》

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 トヨタ自動車製の車の品質に対する消費者の評価は依然として高いものの、米国での販売インセンティブが高止まりしていることや、米国を含む主要市場におけるシェアが継続的に低下していることは、同社の品質に対する評価が、競合他社と比較して悪化していることを示している可能性がある。また、主要部品の不足による人気モデルの供給不足は、少なくとも短期的には同社の市場地位をさらに低下させるおそれもあろう。

現在の格付けには、トヨタ自動車が、世界需要の減退と一連の品質問題を経て、世界市場での地位と収益性を回復できるだろう、というムーディーズの見方が織り込まれている。しかしながら、期待される収益性の改善は、地震による悪影響のみならず、トヨタ自動車が直面しているその他の問題によっても、阻害、または遅延される可能性があることをムーディーズは懸念している。

一方で、トヨタ自動車は、依然として強い事業基盤と良好なバランスシートを堅持しており、1ノッチを超える格下げの可能性は非常に限定的であろう、とムーディーズは見ている。

今回の見直しにおいて、トヨタ自動車の日本における迅速な生産能力の回復力と、困難な状況下においても市場地位を維持していくことができる能力に、ムーディーズは注目する。

また、災害の悪影響にもかかわらず、トヨタ自動車がどの程度、迅速に収益性を改善することができるか、ということについても、ムーディーズは検討する。

最新の格付けアクションおよび格付け履歴については、www.moodys.co.jpを参照されたい。

本信用格付けに利用された主な格付け手法は、弊社ウェブサイト(www.moodys.co.jpの「信用格付事業」を選択した後に表示されるページ)の「格付手法」に掲載されている「世界の自動車業界」(2010年9月30日)である。

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