【前編】資産1.3億の投資家が生涯保有決めた銘柄 「バブルの象徴」だったあの銘柄も今では優良に

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なぜ、NTT株は「投資に値する」と考えたのか。主な理由は「配当利回りの高さ」「安定した配当」「指標的に割安だったこと」の3つです。 

私が同社の株を買い始めた当時、NTTは配当利回りが3%を超えていて、他銘柄と比較して相対的に高い水準にありました。また、当時からNTTは自社株買いを断続的に行っており、株主還元にも積極的でした。そのうえで、PERが10倍を下回る割安な水準で、「業績が安定していて、配当も出して、超大型な銘柄としては、どの側面から見ても安い」と判断したのです。(※PERや自社株買い、株主還元などの単語については、本記事の後半や後編の記事で詳しく解説するので、投資初心者の方はいったん読み進めてくださって結構です)

株主還元への積極性などが評価され、現在では優良な投資先として支持されるNTTですが、2010年前後は「オワコン」扱いされていました。ソフトバンクの新規参入もあり、当時は携帯電話事業でのシェアを落としている状況で、利益はしっかり確保していたものの、「将来性に乏しい」と投資家たちには判断されていたのです。

また、NTTは「バブルの象徴」のような銘柄なのですが、当時はNTTで損した投資家がそこそこおり、失敗イメージが残っている人が多かったのも一因だったのでしょう。

このような理由で、長らく安値で放置されてきたのだと思います。

タイミングを見た投資で、市場平均を上回るリターンも

さて、やや専門的ですが、株主総利回り(TSR)という言葉があります。これは投資家に対する総合的なリターン(値上がり益+配当金)のことを指し、たとえば「1万円の株を購入した際に、10年間で株そのものが2万円に上昇し、配当金の合計額が1万円だった」場合は、10年間でのTSRは300%になります。

(※なお、配当金には20.315%の税金が課税されるため、たとえば上記の場合だと、受け取った配当金は1万円を下回ります) 

(出所:NTT公式サイト) 

NTTの場合、10年間保有した場合のTSRは455%。これはTOPIX(約2200社)の283%を大きく上回る数字です。私の事例を見て驚いた方もいるかもしれませんが、業界首位級の企業へ投資することは、市場平均を上回るパフォーマンスが期待できるということなのです。

企業をしっかり分析し、タイミングを見て購入することができれば、市場平均を上回るリターンを狙うことは決して難しいことではありません。

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