また、「落ち着いて」と言われても、落ち着く人などいませんね。
逆に「自分は落ち着かなければならない状態なのだ」と、より焦ってしまいます。実際に何をすればいいのかも伝わりません。
こうした抽象的な言葉は、ただ呼びかけるより、「実践」を通して教えるのが一番なのです。
たとえば、緊張している状態に気持ちを集中させないように、一緒に呼吸を整えるエクササイズをやってみる、不安の「ドキドキ」感を「わくわく」感に置き換える「リフレーミング」の手法などが効果的と考えられています。
×「緊張しないで」「落ち着いて」
↓
〇「一緒に深呼吸してみよう。まず、4つ息を吸って……」
言われて「きっちり答えを返す子ども」は、そういない
何か悪いことをした子どもや部下に、「なんで」「なぜ」と問いつめてしまうことはよくあるのではないでしょうか。
「ちゃんと反省を促すために、理詰めで問いただし、きっちりと分析してもらうべきである」という思いかもしれません。
しかし、こう問われて「その原因はこういうことで、ここが悪かったので、こう直します。ごめんなさい」などと、きっちり答えてくれる子どもはそういないでしょう。
どちらかといえば、言い逃れをしたり、適当な言い訳をしたりして、「その場を何とかやり過ごすこと」しか、相手の頭の中にはないはずです。
生産現場などでは、5回「なぜ」を繰り返すと発生した問題事象の根本的な原因にたどり着くことができる「なぜなぜ分析」という手法があります。
しかし、これを部下や子どもにやれば、メンタルを破壊してしまいます。
「なぜ」「なんで」と冷静に問うているつもりでも、じつは、相手を攻撃するために言っている可能性は大です。
不必要な「なぜなぜ」攻撃に気をつけましょう。
×「なんで〇〇したの?」「なんで〇〇しないの?」
↓
〇「どうしたらいいのかな」「どうしたいかな」
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