LMにGX…「新車連発」に見るレクサスの方針転換 自らの首を締めていた「決まり事」からの脱却
たとえば、「エアロパーツでドレスアップしたクルマは用意しない」「トヨタ車のボディをベースにしたモデルは日本では扱わない」「タクシーなどの営業車には使わせない」などだ。
また、販売面での制約もあり、「トヨタ販売店のメカニックにはレクサス車を触らせない」「レクサスオーナーズラウンジに入室できるのは、レクサスの店舗で新車もしくは認定中古車を購入したユーザーのみ」というものもある。これらはすべて、メーカーや販売店から聞いた話だ。
これらのレクサスマストが、時間の経過とともに崩れていった。まず「日本のレクサスが扱うのはセダンとクーペのみ」というのは、2005年の時点から無理のある話だった。
当時の国内ラインナップはセダンの「IS」「GS」「LS」とクーペの「SC」であったが、すでにユーザーはSUVを求めていた時代になっていた。そのため、2009年には日本のレクサスとして最初のSUVとなる「RX」を発売している。
なお、それまでのRXは、国内では2代目「ハリアー」として販売されていたもので、日本でRXを発売してからも、RXとは異なる車種として販売され、独自の進化を続けている。
レクサス店220、トヨタ店4600の不利
ドレスアップ車両も、2005年の開業当時は用意されなかったが、2011年に5ドアハッチバックのレクサス「CT200h」を加えると、レクサスブランドで初めてモデリスタのカスタマイズアイテムを装着できるようになった。
販売関連では「タクシーなどの営業車に使わせない」という制約もあったが、レクサスの普及を考えてもナンセンスであった。
レクサスのタクシーに偶然乗車して、良いクルマだと感心して、販売に結び付くこともあるからだ。これも解消され、大手タクシー会社がGSを導入した例もあったし、LSの個人タクシーもよく見かけるようになっている。
「トヨタ販売店のメカニックにはレクサス車を触らせない」も、今は変わっている。レクサスの地域別出店状況は輸入車のプレミアムブランドに似ており、都市部には豊富であっても、1県に1店舗しかない地域もある。
レクサスの販売店は、認定中古車店を含めて約220カ所だが、トヨタブランドは新車販売店だけで約4600カ所だ。レクサスの販売/サービス網は、トヨタブランドのわずか5%程度しかない。
だから、「トヨタ販売店のメカニックにレクサス車を触らせない」のでは、ユーザーが十分なサービスを受けられない。そこで今は、レクサスの店舗が少ない地域では、サテライト店として最寄りのトヨタ系ディーラーを紹介している。
つまり、トヨタブランドの店舗で、レクサスの修理や点検を受けられるようになったのだ。
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