「美人すぎる議員」が次々に誕生するカラクリ 玉石が入り混じる中、ホンモノは誰か

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港区議選で3位当選した柳澤亜紀氏(写真はやなざわ亜紀ホームページより)

橋本氏が落選した港区議選だが、女性の躍進が目立つ選挙区だった。選挙結果は、1位から3位までの上位当選者がいずれも女性。とりわけトップ当選の民主党公認の清家あい氏の獲得票数は3326票で「港区議選ではなかなか獲れない数」と言われた。

ちなみに前回の港区議選でトップ当選の鈴木孝弥氏の得票数は2317.067票で、3000票に届いていない。清家氏は民主党への逆風が吹いているにもかかわらず、前回より1570票も上乗せした。

また前回と同じく3位当選した柳澤亜紀氏は離婚により「小田亜紀」から改名し、さらに民主党から自民党へ鞍替えして603票も伸ばしている。

トップ当選する美人議員たち

世田谷区議選でトップ当選した樋内優子氏(写真はひうち優子Official Websiteより)

元ミス世田谷で3度目の世田谷区議選でトップ当選した樋内優子氏は、美人区議としては先輩格といえる。

同氏は、かねてから国政転出の野心を見せている。菅直人元首相に対し、国政転身の意欲を伝えたこともあった。しかしすでに民主党は、東京都内のほとんどの区で公認候補が決まっており、地元の世田谷区も、4区には手塚仁雄氏、5区には小宮山洋子氏がおり、空く気配は皆無。「残っているのは12区だけだな」。記者は、名刺を受け取った菅氏がこう言ったのを聞いたが、その後の動きはなかった。

一方で自民党から国政への転身を打診されながらも、それを固辞し市議として活躍する女性もいる。元祖「美人すぎる市議」として知られる、藤川優里八戸市議だ。藤川氏は2009年に「世界で一番美しい政治家」を選ぶネット投票で14万6000票を獲得して1位となった。

今回の市議選では元グラビアアイドルの久保百恵氏の出馬が話題になったが、藤川氏はダントツの強さで3期連続のトップ当選。女王の貫録を示した。

佐藤梓氏は八王子市議会選でトップ当選(写真:佐藤あずさ公式ページより)

異色のトップ当選といえば、社民党公認候補ながら保守的な八王子市の市議選で6490票も獲得した佐藤梓(あずさ)氏だろう。NHK記者出身の佐藤氏は、選挙中からそのアイドル的な風貌が話題になった。

圧倒的な勝利は彼女の風貌を生かした“空中戦”と党組織による“地上戦”の賜物だ。さらに現在は上智大学大学院で言語学を専攻し、障害のある子供の言葉の支援について研究中という堅実派。将来的には土井たか子氏、福島瑞穂氏に続く“社民党の顔”になる可能性を感じさせる。

政党側は、ビジュアル的な要素が当落にきわめて大きな影響を与えることを熟知している。アイドルのようなかわいらしい女性が一生懸命になって支持を訴える姿は、ネット受けもするのだ。美人候補が相次ぐカラクリは、実に単純である。

もちろん、当選者は玉石混合。しかし、その中には、将来の日本を担う金剛石のような政治家が潜んでいるのかもしれない。

安積 明子 ジャーナリスト

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あづみ あきこ / Akiko Azumi

兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1994年国会議員政策担当秘書資格試験合格。参院議員の政策担当秘書として勤務の後、各媒体でコラムを執筆し、テレビ・ラジオで政治についても解説。取材の対象は自公から共産党まで幅広く、フリーランスにも開放されている金曜日午後の官房長官会見には必ず参加する。2016年に『野党共闘(泣)。』、2017年12月には『"小池"にはまって、さあ大変!「希望の党」の凋落と突然の代表辞任』(以上ワニブックスPLUS新書)を上梓。

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