1人で引っ張ろうとするリーダーが時代遅れな訳 結果を出せるチームリーダーになる5つの条件

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私が多くの企業で研修を行ってきて実感しているのは、1人でぐいぐい引っ張っていくリーダーでは限界があるという点です。リーダーも1人ではチームを背負いきれませんし、現場もそういうリーダーは求めていません。現場が求めているのは自分に寄り添ってくれるようなリーダーです。

チームのみんなに関心を持ち、共感し、悩みを一緒に考えるリーダーになら、みんなは心を開いてくれます。それも部下の悩みだけではなく、リーダーの悩みも共有すると信頼関係はより深まります。だからシェアリングリーダーこそ、これからの時代の新しいリーダー像なのです。

これまで、リーダーは弱みを見せたらいけないと考えられていましたが、私はどんどん見せるべきだと思います。そのような姿を周りに見せると、「リーダーも自分と同じで悩んでいるんだな」とみんなは共感し、サポートしようと考えるでしょう。それが、ベクトルが1つになっていくプロセスでもあります。

「弱みを見せたほうがいい」と言われても、「部下に軽く見られるのでは?」と懸念する方もいらっしゃるかもしれませんが、その心配は無用です。むしろ、部下が悩みを打ち明けやすいチームにするために必要なことなのです。

今の若者は、あなたが想像している以上に人の顔色を窺い、気を遣っています。リーダーが忙しそうにしているだけで、「聞きたいことがあるんだけど、やめておこう」としり込みしてしまいます。ですので、いつでも気軽に話しかけられるような、頼れる親戚のようなリーダーだと心を開きやすくなります。

なれあいすぎず、適切な距離感を保つ

頼れる親戚と言っても、なあなあな関係になればいいというわけではありません。また、寄り添うと言っても過保護になったら部下に依存心が生まれます。そこはリーダーが理念や信念を持って仕事に取り組んでいれば、なれあいにならず、適切な距離感が生まれると思います。

昭和の父親は「黙って俺の言うことを聞け!」という態度でも家族はついてきてくれましたが、平成・令和は家事も子育ても、家庭の悩みも夫婦でシェアリングするようになりました。リーダーも同じです。

人の上に立つのではなく、人の横に立つのがこれからの時代のリーダーではないでしょうか。上から目線ではなく、横から目線の時代です。みんなに指示命令するのではなく、みんなと一緒に歩み、時にはみんなの背後から支えるのが、私が提案するシェアリングリーダーです。

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