佐藤二朗「晩酌に欠かせない3つの愛すべきもの」 「朝まで生テレビ」「課長 島耕作」に加わったのは?

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朝生は言わずと知れた、田原総一朗さん司会の長寿「討論番組」です。そして僕は討論というものがまるでできません。すぐテンパるし、頭の回転は遅いし、人の言ったことを理解するのも時間掛かるし、自分の考えを的確に瞬時に言葉にするのも苦手です。だから、とにかく「憧れ」といいますか、ひたすら「凄いなあ、凄いなあ」という気持ちで観ています。

「自分にも、もしかしたらできるかも」という番組を観るのも興味が湧き、楽しいと思うんですが、「天地がひっくり返っても自分には絶対にできないこと」を観るのも楽しいんですよね。朝生は僕にとって、完全に後者です。そして、晩酌のホロ酔いを更に心地よくしてくれるんです。

晩酌の肴の大前提は「大好き」レベルなもの

2つ目は、漫画の『課長 島耕作』。こちらもご存知、弘兼憲史さんの長寿漫画です。最近では、『会長 島耕作』とか『学生 島耕作』などもあり、もはやこうなったら『保育園児 島耕作』とか『後期高齢者 島耕作』とかも作って欲しいくらいですが、僕が晩酌の肴にしてるのは元祖である『課長 島耕作』。

『心のおもらし』(朝日新聞出版)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

主人公がサラリーマンということで、新橋のガード下的な赤提灯、小料理屋、バーやスナック、接待をする時などは料亭も出てきます。中沢喜一が島に説得され社長になる決意をするシーン(僕は漫画史に残る名シーンだと思っています)は新宿のゴールデン街。こういったシーンを読みながら晩酌をすると、もうジャストフィット。もしかしたら、僕の晩酌のために描かれた漫画ではないかという壮大な勘違いをしてしまうほど、晩酌によく合います。

とまあ、色々書きましたが、朝生にしろ、島耕作にしろ、晩酌の肴の大前提は、僕が「好きなもの」ということだと思います。当たり前といえば当たり前ですが。そして、好きは好きでも「大好き」レベル。ホント、この2作品には足を向けて寝ることができません。

あ、でも最近は、晩酌の肴に3つ目ができました。それは、小学生に上がったばかりの「息子の話を聞くこと」。なんだよ、最後よさげにまとめたけど、結局呑んだくれの話じゃねぇかと思った、そこのアナタ。反論は……ない。だから討論できないんだってば僕。

(初出:AERA dot.2018/11/25)

佐藤 二朗 俳優

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さとう じろう / Jiro Sato

1969年生まれ、愛知県出身。俳優、脚本家、映画監督。96年に演劇ユニット「ちからわざ」を旗揚げ、全公演で作・出演。近年は『ひきこもり先生』『鎌倉殿の13人』(NHK)での演技が話題になり、『歴史探偵』(NHK)の所長、『超逆境クイズバトル!! 99人の壁』(フジテレビ)の主宰も務めるなどマルチな才能を発揮。原作・脚本・監督を務めた映画『はるヲうるひと』(2021)は海外の映画祭で最優秀脚本賞を、主演映画『さがす』(2022)は国内の映画祭で最優秀男優賞を受賞。23年8月に『リボルバーリリー』(行定勲監督)、24年春に主演作を含む映画3作の公開が控える。Twitterフォロワーは200万人超。

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