コンサルタントの給料が「爆上がり」している背景 高給に見合うほど優れたスキルがあるのか

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コンサルティングファームは、こうした規模の拡大に伴い、人への投資も強化していきます。そうしないと人が育たないばかりか、人材を採用できなくなってきたからです。

一方で、日本の官や企業では、人材に対する投資がコンサルティングファームと比較して圧倒的に、2桁ぐらい低い。個人の市場価値の上がり方も、コンサルティングファームでは、官や企業と比べると、桁違いに高くなってきています。

能力の「差」が生まれるワケ

その“暴利”とも言いたくなってしまう高額なフィーに支えられている、コンサルタントたちの能力は、その高給に値するほどのものなのだろうか。そもそも一般企業の同じ社会人歴の社員と、その給料の差ほどの能力の違いがあるのだろうか。

あると言わざるを得ません。給料の額そのものは、会社全体の生産性、労働分配率などの影響もありますが、能力の違いも実際に大きい。だから、コンサル出身者が30歳そこそこで大きな会社のマネージメント層に迎えられたりしているわけです。

いったい、どこからその違いが生まれるのか? その理由の1つが、社員への教育投資だと思います。ファーム側も高額のフィーに見合う成果を出す責任があるので、それを担う社員にたくさん投資します。教育して、いいプロジェクトの場に連れて行って、シニアメンバーがちゃんとフィードバックして、古い話だとMBAにも率先して行かせていました。

それに比して、官庁や一般企業を見ていると、相変わらず、「見て学べ」的な育成法が主流のように思えます。昔なら少々育成ペースが遅くても自社で育てたほうがよかったかもしれません。でも、この加速する一方の変化のスピードの中、それでは間に合わない。それが、コンサルへの業務委託へとつながっているという側面もあります。

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