大手損保4社が企業向け保険でカルテルの疑い 取引実態の解明に向けて金融庁が報告命令
東京海上日動火災保険など大手損害保険各社が、大手私鉄グループ企業との共同保険取引で、独占禁止法違反となる「カルテル」を結んでいる疑いがあることが分かった。
損保の経営を監督する金融庁は、6月に入り、保険業法に基づく報告徴求命令を各社に出しており、今後、取引の実態解明を進める方針だ。
東京海上が主導して、保険料の水準を設定か
報告命令を受けたのは、東京海上のほか損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険の大手4社。
複数の関係者によると、東京海上が主導する形で、各社が連絡を取り合いながら、火災保険などの保険料を同じような水準に設定し、大手私鉄グループに提示していたようだ。
同契約はボリュームが大きく、1社単独で引き受けるのはリスクが高いため、各社が契約を分担して引き受ける共同保険方式を採っている。本来であれば、損保側は少しでも契約シェアを高めようと、保険料の値下げ競争などを仕掛けるはずだ。
ところが、問題となっている大手私鉄グループのケースでは、契約シェアの大きい東京海上を中心に、値下げ競争に陥ることを回避しようという動きが広がり、カルテルにつながっていったとみられる。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら