日経平均の当面のヤマ場は6月16日にやって来る 「一段高か、いったん下落か」の重要な局面到来

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どんな長期上昇相場でも、押し目は必ずあるものだ。「上がる」「下がる」と毎日のように考えてほぼ53年が過ぎたが、筆者の経験則からすれば、押し目のメドには3つの基準がある。①強い相場では25日移動平均線のプラス1%、②平均的な相場では25日移動平均線まで、③本格的調整が入る場合は75日移動平均線まで、だ。

今年の日経平均をあらためて振り返ってみると、大発会(2万5716円)を底値として一貫して上昇相場が続いている。だが、25日移動平均線と一緒に見ると、日経平均は4月10日の2万7633円まで上昇するところまでは、25日移動平均線を挟んでの展開だった。

ここまでの値動きなら、個人投資家は買おうと思えば買えたと思う。しかし、日経平均が4月11日に25日移動平均線を超え(+0.75%)、翌12日にプラス1%を超えてからは、まさに「強い相場」となった。そこからは6月9日まで、押し目はあったが「強い相場のときの25日移動平均線+1%」にただの1度もタッチしていない。今はそれだけ強い相場ということだ。

それでもSQというひと区切りを経て、今週以降、もし押し目を作るとしたらどうか。相場の上昇で、目安となる移動平均線自体も上昇している。仮に今週末の日経平均が9日の3万2265円相場から動かなかったとしたら、前出の3つの基準に沿って言えば、それぞれ3万1153円前後、3万0845円前後、2万8934円前後ということになる。

下落しても慌てず「押したら買い」は不変

さて、今週は日米欧の金融政策会議以外の重要指標も目白押しだ。とくにアメリカ市場は、景気減速懸念からこのところ迫力がないように見える。だが、世界のファンドのベンチマークであるS&P500種指数は6月9日に連続で年初来高値を更新。昨年10月安値からの上昇率は20%超となり「強気相場入り」しており、日本株の上昇を妨げる状況ではない。

今後の日経平均のメドを記したが、6月後半相場の日経平均は「7日の593円安ですでに押し目は完了したとの見方もあれば、75日移動平均線まで下がる」という見方もある。この局面はぜひ、下値の幅に余裕を持った戦略で臨んでほしい。

ただし、「今年はもちろん、2024年まで、場合によっては2025年まで高い。押したら買いだ」の基本戦略は、つねに胸に刻んで相場に向き合っていただきたい。

(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)

平野 憲一 ケイ・アセット代表、マーケットアナリスト

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ひらの けんいち

日本証券アナリスト協会検定会員。株一筋約45年。歴史を今に生かすことのできる「貴重なストラテジスト」として、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌への出演や寄稿記事多数。的確な予想で知られ、個人投資家の間には熱烈な「平野ファン」がいることでも有名。1970年に立花証券入社以来、個人営業、法人営業、株ディーラーを経て、2000年情報企画部長マーケットアナリストとして、投資家や各メディアに対してマーケット情報発信をスタート。2006年執行役員、2012年顧問就任。2014年に個人事務所ケイ・アセット代表。独立後も、丁寧でわかりやすい解説を目指す。

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