日経平均の当面のヤマ場は6月16日にやって来る 「一段高か、いったん下落か」の重要な局面到来
ただ、日経平均はテクニカル面では7日に、目先の天井を示唆する「包み足」も出た。また、一般的に「25日移動平均線からの乖離率+5%は上げすぎ、+7%は異常値」ともいわれるが、6日の3万2506円は+7.04%、9日の3万2265円で見ても+5.05%となっている。
さらに、筆者が重視している「日経平均総合乖離」(25日・75日・200日の移動平均線3つの乖離率の合計)は30%を超えており、やはりテクニカル面では調整リスクを抱えている。東京証券取引所ベースで見ると、外国人は約9年半ぶりに10週連続で買い越しとなっているものの、買い越し額などの推移から見て、買い一服感も漂っている。
当面のヤマ場は16日にやって来そうだ
では、日経平均は今週以降、逆張り個人投資家が買えるような押し目があるのだろうか。それとも、前出の戻り高値3万3192円50銭を抜く「サマーラリー」がこのまま始まるのか、重要な局面となった。
折しも、今週は日米欧の「中央銀行ウィーク」を迎える。すなわち14日のFOMC(アメリカ連邦公開市場委員会)の結果発表、ジェローム・パウエルFRB(連邦準備制度理事会)議長会見(経済見通し発表)、15日のECB(欧州中央銀行)定例理事会の結果発表、クリスティーヌ・ラガルド総裁会見、そして16日は日本銀行の金融政策決定会合結果発表、植田和男総裁会見が続けざまにある。
この中で、市場では主にパウエル議長やラガルド総裁の会見が注目されており、「当面の政策に変更なし」を言明している植田総裁の会見はあまり重要視されていない。
しかし、筆者は逆だ。日本株は今や、ニューヨーク市場の動向次第で上下し、自主性がなかった以前の状況から一変しており、この3人の中では植田総裁の会見が最も重要ではないかと見る。
16日に植田総裁が再び緩和維持を言明した場合には、その後は前出の高値抜けのサマーラリーが到来しそうだ。逆に、もし今後の政策の変化を少しでもにおわせた場合は「日柄(日数)と値幅」双方で「中程度の押し目」がある可能性がある。
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