33年ぶり高値の日経平均、増益相次ぎ業績も好調 四季報夏号を先取りし、お宝銘柄を発掘しよう

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業種別に見ると、とくに伸びるのがパルプ・紙だ。原材料高が一服する中、製品値上げの効果で業績が急回復し、純利益は前期比5.5倍を見込む。ガラス・土石製品も同じ背景から業績が急回復する。保険業は新型コロナ禍による保険金負担が減るうえ、半導体不足で生産調整に追い込まれていた自動車を中心に輸送用機器も上向く。さらに経済再開に伴い空運業も2桁増益となる見通しだ。その結果、全33業種では今期増益が21、黒字化が1、減益が11と、増益が減益を上回る。

(イラスト:髙栁浩太郎)

増配の見出しが上位に

業績拡大を受けて、四季報夏号の業績記事の見出しでも「続伸」が1位に。また好調な業績や東証の要請などを背景にした株主還元策の表明が相次ぐ中、「連続増配」「増配」の見出しも上位となった。

一方、大幅減益となる業種もある。代表的なのが海運業だ。コンテナ船の運賃高騰による前期の大幅増益から反落する。また原材料高の一服で非鉄金属、鉱業、鉄鋼といった素材産業も減益を見込む。ただし、各産業とも最終黒字を維持する見通しだ。

本特集では四季報夏号の業績予想を先取りし、3万円時代にも勝てる株を取り上げる。

林 哲矢 東洋経済 記者

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はやし てつや / Tetsuya Hayashi

日本経済新聞の記者を経て、ハーバード大学(ケネディスクール)で修士号。『週刊東洋経済』副編集長の後、『米国会社四季報』編集長。

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