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家計が「円売り」に動くとき円安の本番が到来する 資産防衛としての「円から外貨へ」という必然

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  • 唐鎌 大輔 みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト
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こうした「国内から海外へ」という資産運用の動きは今に始まったものではなく、過去数年の潮流である。

例えば投資信託経由の株式売買動向に目をやると、2015年以降じわじわと買いが積み上がる外国株式に対して国内株式の取得意欲は非常に弱く、2019年以降は国内から海外への代替が進んでいるかのような構図にも見える。

同統計からでは為替ヘッジの有無までは判別できないものの、こうした外国株式(おそらく多くは米国株式)への投資を通じた円売りも、今の円安局面に寄与しているのではないかと推測される。

空気で一気に動くおそれ

もっとも、上述した通り、家計金融資産の半分以上はまだ円建ての現預金に集中している。よって、外国株式への投資などが過去に比べて盛り上がっているのは事実としても、そうした「日本人の円売り」が資金循環構造を根本的に変容させるような状況にはまだない。

しかし、任意となっても大多数が続けているマスク着用のように、日本人は合理性よりも「皆がやっているから、やる」という空気で意思決定を下しやすい。冒頭の日経報道で指摘されたように、外貨建て資産を増やす層がこのまま増えていけば、どこかでそれが多数派として空気を形成することになる。

もはや窓口で高い手数料を払って外貨を購入する必要はなく、スマートフォン操作で簡単に外貨建て資産を購入できてしまうのだから、「動く時は一気に動く」というおそれは常にある。

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【弱まる円の購買力】

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