アップルが緑色に!「環境経営」の本気度 温室効果ガスの排出削減を積極アピール

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もちろんこの規格が刷新される必要性を感じる一方で、アップルが既に米国が定める基準を満たすだけでは不十分な「規模」に達していると考える事もできる。

これらの基準や認証は、各国が定める基準をクリアすることによって、その地域での販売が可能になり、また性能をアピールし優位性を確保することにつながる。

その一方で、必ずしも実情に合っていなかったり、本質的ではなくなったりする可能性もある。

特にオーガニックやフェアトレードなど、認証が盛んな食の世界でも、ロゴがついているから安全で正統だ、とはすでに見なされなくなった。独自の調査と情報公開を行い、これを顧客に直接コミュニケーションで伝える努力の方が、1つのロゴマークに勝るからだ。

アップルにとっても同様だろう。各国の環境基準のクリアは当然の出発点だ。自社のビジネスを今後継続するために、地球環境や気候変動への対処の必要性を意識しており、これを顧客に伝えようとしている。

大きなゴールと、小さな効果

アップルは今回、環境や気候変動に対する取り組みを紹介した。前述のカーボンフットプリントだけでなく、データセンターやオフィス、ショップの再生可能エネルギー活用、資源のリサイクル、有害物質の排除を行っている。

これらに加えて、中国などでアップル製品を生産している工場の労働条件の改善、国家に対する税金の支払い、為替変動への対処、世界規模での企業のオペレーションには様々な問題の解決を継続的に行っていかなければならない。

例えばアップルが今後数世紀にわたって企業を存続させることを考えるなら、競争力のある先進的な製品を世に送り出すだけでなく、それら製品の持続的なつくりかたも構築していく必要がある。

日本への影響はどうだろうか。

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