「ハンバーグ」にソースをかける人が知らない真実 フランスとアメリカ、2つの国の由来の違い

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ハンバーグ・ステーキとソールズベリー・ステーキ、双方のレシピが掲載されている戦前のアメリカの料理書(『The Art of Cookery』、『A Text-book of Cooking』)を読み比べると、両者にはタマネギを使用する(ハンバーグ・ステーキ)、しない(ソールズベリー・ステーキ)という違いがあります。

1896年の『The Art of Cookery』(左)と1915年の『A Text-book of Cooking』(右)

料理書によってはタマネギを使用しないハンバーグ・ステーキレシピもありましたが、日本ではタマネギを使うハンバーグ・ステーキが定着したようです。

戦後、ハンバーグは国民的洋食へ

“太平洋戦争後、占領軍としてきたアメリカの兵隊たちが、ハンバーグを好んで食べたのを日本人がまねて、メンチボールにとって代るハンバーグの全盛になった”(加太こうじ『江戸のあじ東京の味』)

今では想像もつきませんが、かつてのアメリカ人は、国民食と言ってもよいほど実によくハンバーグ・ステーキを食べていました。戦後日本の洋食における挽肉料理の主役が、メンチボールからハンバーグに交代した理由は、アメリカの影響によるものでした。

そしてハンバーグが今日のような国民的洋食にまで上り詰めた背景には、戦後のベビーブーム、団塊の世代の誕生があったのです。

『戦後に食べられた「ハンバーグ」その驚きの中身』に続きます。

後編は6月7日(水)に配信予定です
近代食文化研究会 食文化史研究家

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きんだいしょくぶんかけんきゅうかい / Kindai Shokubunka Kenkyukai

食文化史研究家。2018年に『お好み焼きの戦前史』を出版。以降、一年に一冊のペースで『牛丼の戦前史』『焼鳥の戦前史』『串かつの戦前史』『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』等を出版。膨大な収集資料を用いて近代の食文化史を解き明かしている。(Amazon著者ページTwitterアカウントnote

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