資産1億超の投資家「新NISAは配当株を選ぶべし」 日本株は米国株より約10%も税制面で有利に

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具体的に考えてみましょう。たとえば、将来、保有限度額の1,200万円まで投資することができて、その配当利回りが5%だったとします。すると、日本株へ投資していた場合は、 

1,200万円×配当利回り5%=60万円 

を配当金として受け取ることができます。

一方、米国株へ投資していた場合は、アメリカで課税された10%は非課税の対象とはならないため、 

1,200万円×配当利回り5%×90%=54万円 

になり、手取りが6万円も減少してしまいます(下図参照)。 

(図表:『半オートモードで月に23.5万円が入ってくる「超配当」株投資 日経平均リターンを3.86%上回った“割安買い”の極意』)

これは1年間での数字ですので、今後の長い投資人生を考えると、このことは資産形成を進めていく上で決して無視できない数字です。

このように税制上有利となっている状況に加えて、日本株は企業価値の観点から相対的に安く買えることや、国際優良企業が数多く存在し、選択肢も豊富にあること、さらに、日本語で決算資料やIR資料を読めることなど、日本株へ投資する魅力は数多く存在しています。 

成長投資枠は日本の個別株で 

長い間、「日本企業は株主還元に消極的だ」といわれてきましたが、現在の状況は一変しています。多くの企業で株主還元方針が明示され、原則として減配しないという累進配当を方針とする企業も増えてきました。

現在、東京証券取引所では、市場区分の見直しに関するフォローアップ会議が定期的に開催されていて、2023年2月15日に開催された第8回では、「PBR(株価純資産倍率)が1倍を割れている場合には、市況の悪化など一時的な影響によるものである場合を除き、十分な対応が求められる」という内容が盛り込まれています。

今後、中長期的には、資本コストや株価を意識した経営が一般的になってくるでしょう。 

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