3月13日にマスクの着用が「個人の判断」に委ねられることになってから2カ月あまりが過ぎました。また、5月8日に新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが2類相当から季節性インフルエンザなどと同じ5類に変更。さらに、気温が上昇したことなどもあって、場所を問わずマスクを外す人が増えています。
そんな背景もあって、この1週間はマスクに関するさまざまな報道がありました。電車の非常通報トラブル、教職員への指導、インフルエンザ流行、アンケート調査の発表などが報じられましたが、これらの報道には大事なことが欠けていて、筆者は危うさを感じてしまったのです。その欠けている大事なこととは、どんなものなのでしょうか。
マスク関連のアンケート記事が続出
まずはこの1週間程度で報じられた主なマスク関連の記事を挙げていきましょう。
北海道・札幌市営地下鉄の東札幌駅で、乗客の男性がマスクなしで話している女性2人を怒鳴りつけ、客室非常通報装置のボタンを押したことで、運行に遅れが出ました。目撃者によると、車内はさほど混雑していない状態で、マスクをしていない乗客はほかにもいたようです。
別の記事では、ファミリーレストランで男性客がマスクをしていない女性店員に怒り、「店内は個人の判断」であることを告げると、「態度が悪い」などと逆ギレしたことが報じられました。
千葉県教育委員会が市町村の教育委員会と県立学校に、教職員が率先してマスクを外す指導を行うように通知。大企業のトップダウンを思わせるやり方に、全国規模で賛否の声が飛び交いました。
その一方で、岩手県、福島県、栃木県、新潟県、長野県、東京都、福井県、広島県、愛媛県、福岡県、大分県、宮崎県などの学校でインフルエンザの集団発生や学級閉鎖が確認されています。「やはり学校に限らず、マスク着用で予防したほうがいいのではないか」という声も上がるなど、混乱を招いていることは間違いないでしょう。
また、このところ増えているのが、マスクに関するアンケートの記事。「マスク個人判断後の意識調査」「マスクと肌状態に関する意識調査」「政府方針変更(3/13)以降の感染症対策についての意識調査」「コロナ5類化以降で社会はどう変わる?」などのアンケート結果が相次いで報じられました。
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