実際に歩いてみると、駅前はもうまったく見たとおりの東京郊外のベッドタウンのそれである。そして、少し駅から離れると、旧日光街道の面影が残る道筋が、線路と平行に南北に通る。
周囲には、路地といっていいくらいに細い道もあって、そうしたところにも旧宿場町の残り香が感じられる。ベッドタウンらしいにぎわいと、江戸時代以来の歴史が交差する、そういう町が草加なのである。
そして、ここで気になるのが草加駅の周りの駅だ。急行が停まるのは、北千住から西新井、草加、そして新越谷。西新井以北の北千住駅管区に絞っていえば、竹ノ塚・谷塚・獨協大学前・新田の4駅が、急行通過駅というわけだ。このあたりの駅も、毎度のごとく巡ってみることにしたい。
草加の周りにある駅
まだギリギリ東京都内に位置している竹ノ塚駅は、2022年に高架駅になったばかり。それまでは、駅のすぐ脇にある踏切が開かずの踏切となっていて、長らく町の東西の流動を阻んできた。それが高架の新駅舎に切り替わり、町は大いに変わろうとしているという。
竹ノ塚駅長の塚越太さんは言う。
「いまはちょうど旧駅舎の解体作業が進んでいまして、今年度中にはすべての事業が完了して高架下には商業施設が入る予定です。駅の周りには竹ノ塚団地や花畑団地といった団地群がありまして、ほかは小さな住宅があつまっている、まあ住宅地ですね。マンションも増えていまして、駅周辺の風景もどんどん変わっていくのかなあと期待しています」
低層の住宅が密集している西口は、工事用の仮囲いが組まれていて駅前広場のようなものはないが、下町らしい活気に満ちる。駅前から団地が広がる東口に出ると、広いロータリーの正面に旧駅舎がまだ残っていて、地上時代の面影をとどめている。いずれにしても、北千住より北のこのあたりまで来れば、駅の周りは徹底的に住宅地になっている。竹ノ塚駅も、そうした駅の1つだ。
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