「食品工場のビオトープにおける住民・企業・専門家協働型の計画・運営に関する研究」(藤本真里ら)によると、このビオトープには、ミツカンのほか、鹿島建設、里と水辺研究所など5つの主体がかかわっている。それぞれの役割を簡単にまとめると以下のようになる。
5つの主体は例会に集うことも多く、情報交換をして整備や管理内容を改善してきた。
もともと水不足に悩まされていた地域
さて、ミツカン三木工場でも水を循環利用しているが、TSMCやカールスバーグのように工場内だけで循環を完結させているわけではない。三木工場では工場用水を三田浄水場(市水)から得ており、使用後の水は自然環境に排出される。現在、年間約16万5000トンの水を使用し、13万トンの水を排出している。
では、工場のある三木市吉川町の水事情はどのようなものだったか。この地は、最高品質の酒米山田錦が栽培される特A地区のaに選ばれている。吉川町の土壌は、カリウムやマグネシウムを多く含み、保肥力が高いことがその理由だ。一方で、山田錦を育てるには大量の水が必要だが、昔から小雨傾向で、水不足に悩まされてきた土地でもある。
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