日経平均2万円定着へ、カギ握る「あの問題」 日経平均株価の見方を教えよう

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中国の弱い3月貿易収支を見る限り、明らかに景気は減速しているようですし、地方を中心に不動産バブル崩壊はすでに起きています。中国政府による政策支援や金融緩和への期待が継続している状況の中、足元は株価が大幅に上昇しているため、そのリスクがあからさまに露出することはないでしょう。

中国株が下がれば、日本株だけが大幅に下落?

しかし、問題は株高による資産効果が剥げ落ちたときです。もし中国株が下げると、欧米株には影響が少ない反面、日本株だけが大幅に下げるような気がしてなりません。日経平均はここから大幅に下落した場合、2007年の高値である1万8300円処までは下げると思います。

筆者は基本的には根っからの強気派なのですが、5年~6年後のことはここでは控え、半年程度の予測としてこれを読んでください。日経平均が3万円を目指すのは、1万8300円まで調整したあとでしょう。

日経平均が調整後に上昇する際、銘柄選びの着眼点は「土地」でしょう。昨年10月時点の地価動向報告(国土交通省)によると、3カ月前から地価が下落した地区は2007年10月の調査開始から初めてゼロだったようです。

逆に上昇は全体の83%の124地区と過去最高。東京や大阪のような都市部だけでなく、地方も含め国土全体が底上げしていくという状況にならなければ、やっぱり、株価の上昇もバブル崩壊後に何度か経験したミニバブルと同じように一過性に終わるはずです。

NTT株やJR株など土地持ち会社の株がなぜ上昇しているのか。JR株はインバウンド需要だけで大きくは動きません。なぜ、最近、地銀株が強いのか?株価の割安感や再編期待だけではないような気がします。

東野 幸利 国際テクニカルアナリスト

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ひがしの ゆきとし / Yukitoshi Higashino

DZHフィナンシャルリサーチ 日本株情報部長。証券会社情報部、大手信託銀行トレーダー、大手銀行などの勤務を経て2006年に入社。マーケット分析やデリバティブ市場のコンテンツを担当。IFTA国際検定テクニカルアナリスト(MFTA)、国際テクニカルアナリスト連盟(IFTA)教育委員、日本テクニカルアナリスト協会理事なども務める。
 

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