土佐市「移住者カフェ」ここまで大炎上した真因 「前時代的な価値観」への反発が加速している

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その後、土佐市は18日に板原啓文市長のコメントを公式サイトに掲載。苦情の電話やメールが殺到していることや、公共施設への爆破予告メール、子どもの誘拐予告、市長自身への殺害予告も寄せられていることなどを明かしつつ、「今回のような脅迫行為や、平穏な日常生活を脅かすような発信行動に強く憤りを抱いています」と綴っている。

さらに、「今回の本施設のNPO法人と飲食店との問題については、SNS上で事実と異なる部分も多数あります」として、双方が昨年7月から弁護士を立てて協議を行っていること、市としても顧問弁護士と協議中であることなどを綴っている。

(画像:土佐市HPより引用)

一方、ネット上では現在、「賃貸借契約の有無」に焦点が当たっており、早くも真相が見えにくくなっている状況だ。

多くの自治体担当者はSNSの影響力に気づいている

それぞれ受ける印象が異なる事案といえるが、筆者が個人的に思ったのは「『たかがSNS』といった感覚を、地方の高齢者が持っていたとしても、そうおかしなことではないな」ということだった。

持論の背景には、ネットメディア編集者としての筆者が、もっとも長く在籍したのが、地域情報サイトだったことにある。編集部は東京にあったが、当時は全国の市町村をクライアントにして、各地への出張もたびたび。最終的には編集長も務めたほか、業務内容としても、移住の促進(定住人口の増加)や、関係人口(観光でも定住でもなく、自治体と積極的に関わる人々)まわりのお手伝いをしていた。

そこで日々感じていたのは、ネットやSNSに対する温度差だ。誤解してほしくないのは、むしろ多くの自治体担当者はSNSの影響力に気づいているということ。だからこそ、ネット活用をもくろんでおり、筆者が在籍したサイトにもお声がかかっていた。

しかし、一方で、必ずしも住民が同じ理解度かというと、そうとは限らなかった。ほかの多くのネットメディアと同じように、そもそも「○○テレビ」や「××新聞」のように、ネームバリューがあるわけではないからだ。

たとえスマートフォンで情報を入手していたとしても、たいていは「ヤフーで見た」とか「LINEで見た」といった程度で、どのサイトから出されたニュース記事か、読者がしっかり把握していることは少なかった。

年配の取材対象者に対しては、なおのこと「どのようなメディアか」「取り上げることで、どんなメリットがあるか」を説明する必要があった。持参したパソコンで、自社のサイトを表示しつつ、過去に取り上げた周辺自治体の話題を見せる。よく知らないものに対して、人間が警戒心を持つことを身をもって感じた。だからこそ、しっかりとコミュニケーションを取ることで、なるべく取材前にわだかまりを解消できるよう、腐心してきた。

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