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味の素「ヒット商品が出ない」組織改革の苦闘 社長肝いりプロジェクトで「優等生社員」に喝

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これは新商品開発に限らず、既存商品の販売や刷新にも応用できる。各事業部を横断してデータ分析、開発、販売のサイクルを回すことで、商品開発のレベルを底上げする考えなのだ。マーケターだけでなく、研究開発や営業、社外のクリエイターも含めた開発も進めていく。

これまでは消費者ニーズを把握するために、購買データや調査会社によるインタビュー、アンケートが行われてきた。しかし「いつ何を買ったか、性別、年代、家族構成、趣味、趣向ぐらいしかわからない」(岡本氏)。ヒットのきっかけになりうる、深いニーズの掘り起こしは難しかった。

従来の調査を基にしていては、革新的なアイデアは生まれない。この点は過去のヒット商品でも同様の課題だった。

2015年に発売された人気商品「ザ★チャーハン」は、常識破りの連続だった。当時の冷凍チャーハンは多くの商品が450グラムで278~298円程度。パッケージは横長で、赤色が定番だった。また、主に男性や子供が食べているのに、購入者である女性に調査していた。

アプローチの基本は、常識を疑うこと

男性をターゲットにしたチャーハンを作るべく、人気の中華料理店を数十軒回って調査。すると、一人前の多くが約300グラムで、具材もネギや卵などシンプルなものが多かった。商品構成を練り直し、社内の製造技術、調味料もフル活用し、外食レベルの商品を1年がかりで作り上げた。

内容量は2食分の600グラム。パッケージは正方形で黒を基調としたデザインに金色で商品名を記した。営業部隊からは「600グラムなんて聞いたことない」「食品で黒はありえない」など散々だったが、なんとか発売にこぎつけた。

発売後、俳優の小栗旬さんが一心不乱にたいらげるCMを打つと、目標の2万ケースに対し注文は16万ケースに達し、瞬く間に人気商品へと駆け上がった。2016年には「ザ★シュウマイ」、2020年には「ザ★から揚げ」を発売するなど、シリーズ展開するほどの人気を獲得している。

「常識を疑ってみること。お客様の諦めとか、口に出していないけど充足していない欲求がないか。ここをよく見て考えていく」と岡本氏は語る。マーケティングデザインセンターの取り組みも、アプローチの基本方針は変わっていない。

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【若手・中堅社員中心のプロジェクトも】

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