ところで、やりたい仕事が見つけにくいとのことですが、教育の世界と実際の職業の場というものがきっかりと分断されているので、それは当然です。あまり気にする必要はありません。選択肢があまりにも多いので、絞りにくいということもあるのでしょう。選択肢が少なければ全体が見えるので、その中で比較検討し、徐々に選択肢を狭めていけばいい、ということが考えられます。
しかし、高校生の段階ではそうではありません。
そもそも、世の中にどんな仕事があるのかという全体像も高校生の時点では見えにくいため、よほどアクティブに探す努力をしないと、“理想”の仕事に巡り合うのは難しいものです。
選択肢を狭めないで
人は往々にして、自分の知識や自分にとっての常識をベースに探そうとするものです。自分の興味や強みがわからない中で最初から選択肢を狭めすぎると、狭い世界でしか探すことができなくなり、結果、しっくりくるものが見つからない、という特徴があります。大学生が大学の学部に関連すると“思われる”職業の中に限定し、自分に合いそうな職業を強引に探そうとする、という行為がこれですね。
しかし現実問題として、就職活動中の大学生、もっと言えば実際に社会に出て働いている人でも、少なくない割合の人たちが「やりたい仕事は何か」を探るべく、知見と経験を増やそうと仕事を頑張ってやっている、という実態もありますので、高校生の葵さんにはなおさらでしょう。
しかし、そのような中で現在高校生でありながらも、仕事についてまじめに考えているということは、すばらしいことだと思います。ましてやこんな(といっては失礼ですが)東洋経済オンラインという媒体を見て研究しているわけですから。「知ろうとする」努力を継続することは非常によいことですし、一般の大学生がやるようなことをすでにされている、ともいえるのではないでしょうか。
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