破綻のユニゾ、旧経営陣に迫る「責任追及」の足音 EBOの手続きを調査、損害賠償請求にも発展か
ユニゾHDは「合意書は債権者保護を(ユニゾHD自身に)尊重させるものであり、債権者に対して具体的な権利を取得させることが目的ではない」として、要求を拒否した。その後も議論は平行線をたどり、2022年11月、オアシスはユニゾHDに対して、訴訟提起時点で保有していた25億円の社債の期限前償還を求める訴訟を提起した。
訴状の中でオアシスは、「証券市場に本件合意書を開示して債権者保護施策の存在をアピールしておきながら、買収が実現するや、かかる債権者保護施策を実行しない被告(ユニゾHD)の態度は、市場に対する信用を裏切り、原告(オアシス)らのように開示を信頼する立場にある者を騙すに等しい」と指弾している。
旧経営陣はユニゾを去ったが
すでに複数の疑義が呈されているEBO。9日の債権者集会では、債権者から「(チトセア投資への貸し付けが)関係法令に照らして妥当だったのか、回収可能性がないといつ分かったのかは重要な問題だ」と指摘があった。代理人弁護士も「しかるべく進めて参りたい」と応えた。
今後、弁護団はEBOにまつわる金額や契約関係、意思決定プロセスについて調査し、損害賠償請求の可否を検討する構えだ。ユニゾHDの小崎哲資前社長を含む当時の取締役に加えて、弁護士や監査法人、買収費用の拠出やユニゾHDに役員を派遣していたローンスターも調査対象となる可能性がある。
ユニゾHDおよび子会社の取締役、監査役、執行役員は、2020年に全員が辞任・退任している。EBOを決議した当事者としての説明責任がどこまで果たされるか、債権者は固唾をのんで見守っている。
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