「子供嫌い」の日本、アメリカと価値観が違う背景 アメリカでは子供は小さな大人、日本では?

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日本では、公園で遊んでいる子供によその大人がやさしく声を掛けるということは滅多にありません。むしろ、昨年長野市内の公園が近隣住民の「子供がうるさい」という苦情を受けて閉鎖されたように、子供は平穏な生活を脅かす邪魔者です。

アメリカでは、通りがかりのおじさん・おばさんが子供を見つけると、「adorable!(可愛い)」とか言いながら寄ってきて、子供の頭を撫でたり、抱き上げたりします。見ている日本人の筆者は、トラブルにならないかとハラハラします。

子供は小さな大人か、別の生き物か?

OECDの2021年統計によると、1970年に生まれた女性の50歳時点の生涯無子率は、日本が27%で先進国で最高値、アメリカは11.7%で最低値です。

子育てにお金がかかることや子供がうるさいことは、日本でもアメリカでも同じはず。にもかかわらず、両国でこういう大きな違いが生まれているのはなぜでしょうか。

筆者は以前、ボストン大学のグレッグ・シンガー教授から興味深い仮説を聞きました。日本の大学でも教鞭を執った経験がある知日派のシンガー教授によると、「アメリカでは子供は小さな大人、日本では大人と子供は別の生き物」だそうです。

シンガー教授が例示したのは、クリスマス・お正月の過ごし方です。「アメリカではクリスマスの夜、家族が1つの部屋に集まって過ごす。日本では、お正月に親族が本家に集まって、大人たちと子供たちで別の部屋に分かれて食事をする。高校生ぐらいになって大人部屋への参加を許されると、自分は大人の仲間入りをしたのだと実感する」。

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