ヘンリー王子顔見せは?「英王戴冠式」の見どころ 英王室人気に陰りでもイギリスはお祭り騒ぎに
7日は「ビッグランチ」の日。これはいわゆるストリート・パーティーで、通りに長テーブルを持ち出し、隣人や友人たちとランチを共にする。場合によっては交通を遮断する必要があるので、地元自治体にパーティーの開催を申請する。
ストリート・パーティーは飾り付けがまず楽しい。英国旗で使われる青、赤、白をメインテーマとして、三角形の旗をチェーン上につなぐ「バンティング」や紙製の冠を作る。当日は戴冠式をテーマにした思い思いの扮装と食べ物を持参して、テーブルに集まるはずだ。
この時、特に王室を支持していなくてもかまわない。みんなで集まって、食べたり飲んだり、踊ったりが楽しいのだ。子供たちもこの日はどれだけお菓子を食べても叱られないはず。
8日は「ボランティアの日」。地元でできるボランティア活動に参加する、あるいは気張らなくても、助けが必要な人に手を差し伸べるだけでもよいだろう。8日を祝日とし、ボランティア活動の日としたのは、チャールズ国王である。
夜はウィンザー城でコンサートが開かれ、テレビで中継される。
王室制度への支持は先細りか
複数の調査会社の調べによると、君主制への支持率はそれほど高くなく、特に若者層で低い。戴冠式に「それほど関心がない」という人も多い。
今回のイベントはテレビや新聞を見ているだけだと、「とても盛り上がった」ように見えるだろうけれど、昨年9月のエリザベス女王の国葬時の盛り上がりには達しないかもしれない。もし熱狂的に見えたとしたら、それはお祭り騒ぎが好きなイギリス国民の心にフィットしたからではないかと筆者は思う。
一方、王室を廃止して共和制を支持する人の声はそれほど大きくなっていない。
イギリスでは、しばらく王室の制度は続くのではないか。ただ、2020年の人種差別反対運動「ブラック・ライブズ・マター」の拡大後、イギリスの過去の植民地制度や奴隷貿易への反省をチャールズ国王やウィリアム皇太子自身が表明するようになっている。時代が変わっているのである。
奴隷貿易など、今となっては受け入れられない過去の歴史と深く結びついた、世襲制の王室制度への支持は先細りしていくのではないか。
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