曹洞宗の伝統に則り、僧侶であるエルヴォーさんはこの経験を生かし、2009年からダイセン・センター・ゼンでこの教えと瞑想の修行を続けています。「禅は個人的な経験ですが、1人で修行することはできません。禅は精神を強くし、自分を強くする。しかし、『無所得』以外に、禅には他に目的も目標もありません」とエルヴォーさんはいいます。
禅のプログラムは次の通りです。40分間の瞑想、7分間の経行、40分間の瞑想、そして最後に簡単な儀式を行います。実施日時は、月曜日、火曜日、木曜日の午後7時から8時半まで。
禅のセッションの参加者は実に多彩で、40年間瞑想を続けている70歳の3児の母や、欧州委員会で働く多くの職員、30年間ヨガを続けてきた中、最近禅に出会った看護師などさまざまなバックグラウンドを持つ人がいます。
空手をやっているセドリックさんは、自分の空手の動きを理解するために瞑想をしているといいます。彼は空手の型を機械的に行っていましたが、その後、彼は『 肚(はら)』を見出したといいます。瞑想は彼の空手を完全に変えてしまったのです。
禅で変わったギタリスト
エルヴォーさんは、年に4回、ベルギー北西部ブルージュのカトリック修道院で1週間のセッション(料金350ユーロ)も開催。1日1時間30分の瞑想セッションが5回行われます。食事は、この瞑想セッションの料理人である「典座」が作ります。
ギタリストだという参加者の1人は、4年前に瞑想を始めてから、自分の音楽がより深くなったことを実感しているといいます。
禅は座禅の修行であり、2600年前に迦牟尼仏が生きた原初の経験です。禅という言葉は、黙想という意味を持ちます。禅は本来、地面に座り、黒い座布団に座って足を組み、背筋を伸ばすもの。目的も対象もなく、静寂の中で、平和な状態に身を置きます。
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