ダイハツ「ムーヴキャンバス」が指名買いの理由 暮らしにゆとりをもたらした軽自動車の新基準

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新型ムーヴキャンバスの外観
新型ムーヴキャンバスの外観。グレードは、大きくわけて「ストライプス」と「セオリー」の2種類があり、ストライプスはツートーンカラーとなる(写真:ダイハツ工業)
セオリー
セオリーは、単色のボディカラーとなる(写真:ダイハツ工業)

同時に、ムーヴキャンバスの外観の造形は、女性向けというだけでなく、男性や高齢者にも目に留まる姿ではないだろうか。N-BOXを筆頭に、タントやスペーシアは、その用途を明確に伝える便利そうなクルマの姿ではあるけれど、つねに家族で出かけたり、荷物を運んだりするのでなければ、もう少し暮らしにゆとりを覚えさせる外観のクルマに目がいくのではないか。

外装色のツートーンの選択肢は、ムーヴキャンバスの造形の特徴を生かした独特の配色で、単に2色の塗りわけではなく、それも人気の1つだろう。もちろん、モノトーンの塗装も選べる。

インテリア
ムーヴキャンバスのインテリア(写真:ダイハツ工業)

ムーヴキャンバスの室内は、簡素でありながら温もりを覚えさせる造形となっており、運転席からの視界は、やや立ったフロントウィンドウによって、前方の見晴らしがよく安心感がある。それらは、2代目の現行車にも引き継がれた。室内空間は、新型でさらに居心地よく感じさせ、また使い使い勝手も進歩した。

日々軽自動車を使うけれども、暮らしに追われるのではなく、暮らしを楽しむ1台として、ムーヴキャンバスは指名買いされる価値を持っているのだと思う。

電動化による付加価値を求めたい

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ムーヴキャンバスで唯一残念なのは、スズキのような電動化された動力を持たないことだ。それは初代から感じていた。電動化とは、単に環境性能を高めるだけでなく、静粛性やアイドリングストップからのエンジン再始動での滑らかさにも効果がある。それらが上質さを魅力とするムーヴキャンバスをさらに上級に感じさせるはずだ。そうすればさらに顧客満足度は高まるだろう。だが、ダイハツは、電動化による環境性能だけでない付加価値について、気付いていないようだ。

御堀 直嗣 モータージャーナリスト

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みほり なおつぐ / Naotsugu Mihori

1955年、東京都生まれ。玉川大学工学部卒業。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務める。日本EVクラブ副代表としてEVや環境・エネルギー分野に詳しい。趣味は、読書と、週1回の乗馬。

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