ワゴンRスマイル担う対ムーヴキャンバスの役割

1万台差でダイハツに負けた「軽NO.1」奪還へ

新型「ワゴンRスマイル」の発表会に立つ代表取締役 鈴木俊宏氏(写真:スズキ)
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スズキは2021年8月27日、新型「ワゴンRスマイル」をオンラインで公開。同年9月10日に発売すると発表した。「高いデザイン性とスライドドアの使い勝手を融合させた、新しい軽ワゴン」をコンセプトとして開発された、ワゴンRの派生車である。

その特徴は大きく2つあり、1つは丸いヘッドライトが採用されたデザイン。もう1つは、これまでワゴンRに採用されていなかったスライドドアが搭載されたことだ。

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スズキ「スペーシア」やホンダ「N-BOX」を始めする軽スーパーハイトワゴン(全高1800mm前後)では当たり前のように採用されているスライドドアだが、ワゴンRやダイハツ「ムーヴ」といった軽トールワゴン(全高1600mm前後)で採用しているのは、現状ダイハツ「ムーヴキャンパス」のみ。そのムーヴキャンバスは2016年の登場以降、キュートな外観と相まって驚くほどの人気を見せている。

全国軽自動車協会連合会が発表したデータでは、2021年1月から6月におけるワゴンRの販売台数は3万236台。それに対し、ムーヴは5万7761台だ。

この数値だけを見ると大差をつけられているように見えるが、ムーヴの販売台数にはムーヴキャンバスも含まれており、実際には5万7761台のうちの半数以上をムーヴキャンバスが占めている。

最大のライバルとなる「ムーヴキャンバス」(写真:ダイハツ工業)

ムーヴキャンバスと競合するモデルがないスズキにとって、この穴は大きい。そこで、ワゴンRスマイルの発売により、一石を投じるというわけだ。

発表会に登壇した代表取締役 鈴木俊宏氏は、「1993年の発売以来、常に軽自動車市場を牽引してきたワゴンRに、後席の乗降のしやすさと、大きな荷物の出し入れがしやすい両側スライドドアの採用により、機能性を高めていることが最大の特徴です」と述べている。

そのほか、安全装備の充実はもちろん、「個性的なデザインやカラーにもこだわり抜くことで、スズキ従来のラインナップにはない、新しい軽ワゴン車となっている」という。

メインターゲットは女性だが男性も意識

“ちょうどいい高さのスライドドアワゴン”というムーヴキャンバスのパッケージングにピッタリとハマるのが、小さな子どもを持つママ層であることは容易に想像できる。

そして、ムーヴキャンバスはそうしたママ層を主なターゲットとしたことで、デザインやカラーバリエーションを女性向けの方向に振り、ヒットにつながった。

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