「タフト」発売1年、「ハスラー」との勝負の行方 ライバル同士で市場拡大するWin-Winの関係へ
2020年6月10日より発売が開始されたダイハツの軽自動車「タフト(TAFT)」。その開発コンセプトは「日常からレジャーシーンまで大活躍、毎日を楽しくしてくれる頼れる相棒」というものだ。具体的にいえば、日常だけでなくレジャーにも使えるクロスオーバーとなる。
スタイリングは、スクエアなボディに大径タイヤを組み合わせ、SUVらしさを漂わせたもの。ホイールアーチに配したブラックのプロテクターが、タフさを表現する。
また、ルーフの前半分をガラスとする「スカイフィールトップ」が乗員に明るさと開放感を与えてくれる。このスカイフィールトップは、全グレードに標準装備だ。
レジャーだけでなく、普段に乗っているだけでもワクワクするような、工夫があちこちにちりばめられたモデルである。
冒頭でも少し触れたように、タフトは本格的なSUVではなく、クロスオーバーになる。つまり最低地上高(地面から車体までの高さ)は高められているが、あくまでも若干というレベル。5ナンバーや3ナンバーの登録車で大流行しているSUVほど、最低地上高は高くない。軽自動車で“本格SUV”と呼べるのは、現在のところスズキ「ジムニー」が唯一の存在だ。
これまで軽自動車のSUVがほとんど存在しなかったのは、本気でSUVのスタイルにすると「室内が狭くなる」「床が高くなって乗り降りしにくくなる」「開発コストがかさむ」といったデメリットが大きいからだ。
また、初代スズキ「ワゴンR」が誕生した1990年代以降、軽自動車の売れ筋は、背を高くして室内空間拡大を追求したハイトワゴンやスーパーハイトワゴンだから、本格的なSUV志向のモデルは、ジムニーを除いてほぼ存在していなかったのだ。
しかし、そうした状況を打破する1台が、2014年に現れた。スズキ「ハスラー」である。
「軽クロスオーバー」というジャンルの開拓者
2014年に初代モデルが誕生したハスラーは、軽ワゴンとSUVを融合させるクロスーバーであった。
軽ワゴンならではの広い室内空間に、ワンランク上のラフロード走行性能をプラス。さらに丸いキュートなヘッドライトやポップなカラーリングなど、遊び心あふれるデザインを採用。「アクティブなライフスタイルの似合う軽クロスオーバー」として売り出した。
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